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事務所より 民事信託・遺言・後見・相続

ある新聞記事を拝読し 改めて現金,金銭についてもう一歩踏み込んで考えてみる

現金、金銭という存在、実は、考えれば考える程、疑問符が多く浮かび上がってくる性格を持っている様です。

参考になる文献がないものかといろいろweb検索していたところ、

日本銀行金融銀研究所から出ております、金融研究(第14巻第4号 (1995年12月発行))の著者:古市峰子氏の「現金、金銭に関する法的一考察」

という論文が、参考になります。

実務で思慮深く考えると、実は難しい問題ではあります。ある新聞記事では、相続をテーマとして、「相続財産としての預貯金」と「共同相続人の一人が所持している相続財産である現金」の場合の比較なのですが、他の共同相続人が「遺産分割協議成立前に」、法定相続分に基づいて金融機関に預貯金を払い出しの請求の認否とその現金を所持している共同相続人に対する現金の引渡請求の認否に、結論が正反対の結果となっています。

上記のリンク元の論文では、相続というテーマからは、直接触れてはいませんが、金銭、現金が法的にどのような性格を持っているのか、理解の助けになれば良いと考えます。

相続手続の相談を承ります
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

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民事信託・遺言・後見・相続

負債の相続財産について

こんばんは

相続というと 土地 建物 預貯金 株式…. と資産でもあるプラスの財産を引き継ぐだけ と思い浮かべますが 実は相続財産には もう一つあります

それは、借金 保証人になっていた場合の保証債務等の負債です

この負債の調査は 実のところ 難しいのですが まず 直ぐにでも調べられる方法は 遺品の整理時に 郵便物、書類や預貯金の通帳をよく確認することです

銀行系のカードローン、クレジットカードの支払については、預貯金通帳に記帳されています

負債については 生前のお金の流れ 職業(事業所得者だったのか、御務めされていたのか)でも 注意する必要はあります

気になるのであれば 信用情報を扱っている団体・機関に照会をしてみる方法があります この照会については、次回のブログで記したいと思います

 

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シダレ桜と夜の月です
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事務所より 民事信託・遺言・後見・相続

後のことを考えると…

とても恐ろしい案件であると感じました。
 人様の戸籍を(養子縁組がなされたと不実の届出を勝手にして、氏の変更を)利用して、振り込め詐欺の口座に利用していた事件の報道がありました。この件、我々の業種からすると、後で随分厄介なことになると思いました。なぜならば、相続の案件で持ち込まれた場合、もし真実に気がついても、当事者の一方が既に他界していたり、積極財産につけ込んで、真実であると主張された場合、裁判の力を頼らなければならないからです。
 それでは未然に防ぐ方法はあるのでしょうか。婚姻や離婚の届出を阻止するために、不受理申出をしておけばよいのです。
 もっともトラブルに巻き込まれないように、日頃からの生活を充実させることですね

 ☆相続に関する相談を承ります(30分3,000円〜)
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イタリア ホテルでの朝食

上記記事は、2022年6月27日、旧ブログ「時報」より、本ブログに移植しました。

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不動産登記申請 事務所より 会社・法人・企業法務 裁判事務

専門家に依頼しましょう

 電話がかかってきますが、自身で準備したいので、ノウハウを教えてほしい(直接的な表現ではないにしろ、おっしゃる)方が時々いらっしゃいます。
 しかしながら基本的には、電話では、御答えしておりません。
 しっかりとしたわけがあります。基本的に電話だけですと、書面を拝見しているわけではないので、想像でモノを言わなければならない、極めて不確実なシーンに出くわすことがあります。
 そうすると、確認していないところが多く存在するため、電話では、御答えする事ができないのです。
 また電話で「幾らかかる?」と言われても、即答できないのが実情です。
 なぜならば、登記、裁判書類作成業務およびそれに対する助言は、事実をしっかり確認しなければ、申請できる要件が確認できないからです。
 以上をご理解の上で、ご自身でなさるのであれば、当事者であれば、代理人を置かなければならないという民事訴訟や登記に関する規定は置かれていないので、もちろんご自身ですることはできます。
 しかしながら、登記において、特に不動産登記は相手方もある事ですし、商業登記は役員の住人登記は定型的なので問題なくご自身でもできると思いますが、イレギュラーケースに遭遇した場合は、一般人の方では、どう申請をすれば良いのかを調べることから始めなければならないので、負担が大きいと思います。
 民事訴訟の訴状等の作成についても、一定のルールがあるので、一般の方が作成するのは負担が大きいと思います。
 そういった負担を緩和するという観点で、各専門家に相談する事をお勧め致します。

登記・裁判書類作成に関する相談を随時受け付けています
司法書士 大山 真 事務所
TEL:047-446-3357

夕闇

上記記事は、2022年6月27日に、旧ブログ「時報」より、本ブログに移植しました。なお、本文を加筆修正しました。

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会社・法人・企業法務 民事信託・遺言・後見・相続

不況なときほど、見直すべき

 経営者の方に、耳寄りなお話を記したいと思います。

 先日、ある会社代表者から、企業内統治のことで相談を受けたときのことです。「不況により、これまでも日々の日常業務から経費を削減してきたが、更に無駄な経費を削減したい。どうしたら良いか?」と相談がありました。

 私は、まず役員の事をお聞きしました。すると「(実体は、)ぜんぜん業務執行どころか、設立後、会社に現れたことがない。でも僅かばかりの役員報酬は支払っている」とのこと。さらに、この役員は、単に名前を借りているだけであった」と言うのです。
 私は、「これまでの付き合いもあるでしょうし、何らかしら関与しているでしょうから、任期まではこれまでどおりとして、任期が満了したら、会社役員の構成を抜本的に見直してはどうか」と助言しました。
 すると、「費用がかかるんでしょ?!と」おっしゃったので、月にこの役員に幾ら払っているのですかと尋ねると、月◯万円とのこと、資本金が大きくない会社だったので、登記申請手続費用は、ご自身で申請するなら、郵送料と登録免許税(資本金1億円以内であれば1万円)以外はかかりませんよ」と助言しました。

 もちろん、これまでの役員の方には、これまでの付き合いもあるのでしょうから、僅かばかりながらのお礼でもって一言声をかけておく必要はあるでしょう。

そのまま放置しても何も変わりません

 何も手続をしなければ、経費はどんどん出て行きます。まずは役員についても不況な時ほど見直すべきだと考えます。

 商業登記申請は、大きな会社だけが自身で申請ができるという錯覚をお持ちになっているかもしれませんが、中小企業であっても、専門家の指示を仰ぎながらでもできると考えます。
 ご相談をお受け致します
TEL:047-446-3357

高速道路より眺める

上記記事は、2022年6月14日、旧ブログ「時報」より、本ブログに移植しました。

補足

最近設立する会社は、発起人が一人、設立時の取締役が一人の会社を設立することができるようになったので、上記の問題は、生じることはまず無くなりました。

旧商法時代に設立された会社

当時は、まだまだ旧商法時代に設立された会社が多く、名義株主(発起人の最低員数を満たす必要があるため、名義だけ貸していた発起人:会社成立後は名義株主)、名義取締役・名義監査役(現行会社法で置き換えると、取締役会および監査役設置会社であるが、旧商法時代は、いずれも必須機関であったため、実際には経営には関与せず、単に法人格を取得するために、名義だけ貸したが、登記され続けている役員)の存在があります。

設立要件の変遷

発起人7人、成立時の取締役は3人、監査役は1人、資本金は金1,000万円以上、必要だった株式会社の成立要件が、幾度となく見直され、成立から3年内に、最低資本金1,000万円とすることを解除条件とする、いわゆる確認会社の制度の廃止、最低資本金制度の廃止、旧商法から会社法への改正とともに、最低限の期間構成として一人株主、一人取締役とする株式会社も設立することができるようになりました。

名義株主および名義役員について

上記のような事例は、旧商法時代に設立された会社で、やはり中小企業に特有の問題だと思います。ただ、この問題を放置すると、今後どのような問題が生じるでしょうか?

名義株主の場合は相続

それは、名義株主については相続の問題が生じた場合、問題になることがありえます。

名義役員の場合は機関構成

名義役員は、お亡くなりになられたとき、機関構成がそのままであると、新たな役員の選任就任が必要にもなります。もっともこれを機に、機関構成を変更する、実体に合わせることを考えても良いのかもしれません。

機関構成・役員変更の相談を承ります

司法書士大山 真事務所では、会社法人の機関構成や役員変更の相談にも、対応しております。なお、概要は、当事務所公式Webページでも紹介しております。ぜひご参照ください。