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相続登記義務化のこと4

こんばんは、相続登記申請の義務化のことについて、もう少し気になったことがあったので、追記したいと思います。

これまで、相続登記申請義務化のことを記事していますので、先の投稿も以下のリンクから、ご覧いただければと思います。

過料の制裁について

小見出しにも記したとおり、今回は、過料の制裁について、記したいと思います。

法令では、義務を怠った場合、金10万円以下の過料(過ち料)の制裁を裁判所から受けることとなります。

法務局では、正当な理由がなければ、例外なく裁判所に送付する扱いとなります。正当な理由となるのかどうかの判断について、法務局の登記官の裁量がどれほど設けられるのか、計りかねますが、謂わば、行政の処分についても平等原則がはたらくと考えると、見逃されることは、まず考えられないと考えます。

さて、今の段階で分かっていることとしては、『登記官が、「不動産登記法の規定による申請をすべき義務に違反して不動産登記法の規定により過料に処せられるべき者があることを職務上知ったときは、これらの申請義務に違反した者に対し相当の期間を定めてその申請をすべき旨を催告(以下「申請の催告」という。)し、それにもかかわらず、その期間内にその申請がされないときに限り、遅滞なく、管轄地方裁判所にその事件を通知(以下「過料通知」という。)をしなければならない。』となるようです。

申請の催告が考えられる事象

この申請の催告が考えらえれる事象ですが、主たる土地と自宅たる建物については、相続登記を申請したが、他の不動産については、登記申請を遺漏している、または意図的に申請をしていない場合が考えられます。

過去の実務経験より

過去に扱った事案ですが、意図的に、道路部分や山林について、登記申請をしないという相談者がいたり、道路部分の土地について共有者であることに気がつかない相談者もいらっしゃいました。

依頼者から「相続したくない不動産は捨ててしまえばよい」

当時は、ようやく相続登記の重要性が、再認識され始めていた最中、マスコミや週刊誌で「捨てられる不動産」という言葉が踊っていた頃に受託した案件で、申請したくない不動産について、書類が独立している場合は当職に見せない、共通して情報が搭載されている物件については、黒塗りをして当職に情報を開示しない方でした。その事案は、全部ではありませんでしたが、登録免許税の算定に必要な不動産の価格を証明する書面を取り寄せたところ、情報を開示されなかった道路部分の記載があったので、その部分については、相続登記申請に盛り込むことができましたが、他の山林等は、他の市区町村にあったようでしたが、結局探知することはありませんでした。もっとも職務上、それらの物件は、相続登記申請の委任を受けたわけでもなければ、依頼もないのに調査をすることが職責上許されるわけでもないので、登記申請をしなくても、義務化された場合、遅かれ早かれ法務局もしくは国家から通知が来ますよという忠告をしたことをよく覚えています。

評価上非課税として扱われ共有不動産

土地・建物について評価額があれば、評価証明書に記載事項であるので、ほぼ間違いなく掲載されますが、非課税扱いとされる道路敷として課税上の地目で登録されている土地は、課税行政庁が一方的に把握している代表共有者以外の共有者について見落とされることが多く、漫然と請求した場合、評価証明書に記載されないことがあります。

上記、二つの事象を見てきましたが、何れにしても、相続手続きをして登記を申請したのに、過料の制裁を受ける可能性がある事象であるといえます。対象となっている不動産について、よくよく確認すべきと感じます。

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