今回から、「抵当権抹消登記申請の依頼」を、いくつかの回に分け、問い合わせ時の留意点を記します。
今回取り上げる事案は、あくまで「抵当権」に限ります。根抵当権や他の担保物権によって登記されている事案は、別の機会にします。
不動産の数を確認する
唐突に不動産の数と記しましたが、抵当権により担保の対象となっている不動産の数を確認してください。
なお、この不動産の数について電話で明確に伝えられない場合は、別途相談で対応を受けられた方が、結果的にスムーズに手続きが進みます。
もっとも、不動産の数を確認する術を紹介もせず、相談で対応すると言い切ってしまうのはどうかと思いますので、ここではいくつか存在する手法の一部を取り上げたいと思います。
住宅ローンの完済の場合
まず住宅ですから、お住まいになっている建物が存在します。建物は、空間上には存続できないので、建物の底地たる土地(宅地)が一つ以上存在しているはずです。次に公道に出るための接道部分たる土地の有無を確認します。
具体的な確認方法ですが、まず金融機関から手渡された(または送付を受けた)書類によって確認します。その書類の中に「抵当権解除証書」または「債務弁済証書」が存在しているはずです。その証書の記載から、「不動産の表示」欄または「物件の表示」欄が存在しているはずです。
その「不動産の表示」欄または「物件の表示」欄に、抵当権に付されていた不動産が表示されています。
登記簿から担保権の存在を確認する場合
担保権の消滅を証明する書面を見ても、よく判らないこともあります。その場合、抵当権の存在について、不動産登記簿から確認することもできます。もっとも現在の不動産登記簿は、データとして存在するので、法務局に出向き「不動産登記(全部)事項証明書(共同担保目録付)」を入手する必要があります。
そうして入手した登記事項証明書の乙区に、対象となる抵当権の存在を確認することができ、複数の不動産が担保として差し出されているならば、共同担保目録が設けられており、どの不動産が担保に供されていたのか確認することができます。この共同担保目録は、証明書の請求時に、共同担保目録の欄にチェックをいれて提出します。
次回は?
ここまでは、一般の土地、建物の不動産の数を数えることを記しましたが、次回は、抵当権の担保の対象が敷地権付き区分建物であった場合の不動産の数のことから記したいと思います。
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