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事務所より 会社・法人・企業法務

企業を取り巻く環境から

 企業において、何が一番大事か、とても大きな問題である。殆どの中小企業は、銀行からの融資を受けて会社を運営していると言っても過言ではないからである。また事業にとって大きな存在は、社外では、取引先、顧客、納入業者であり、社内では、頑張ってくれるほど利益につながる従業員の存在である。その上で役員の存在があるといってもよい。

往年の中小企業の代表者の給与

私が幼少期の頃は、会社の社長は、とても偉い存在で収入も多いと思っていたが、今のご時世、中小企業のほとんどの生真面目な役員の給与は、古くからいる従業員の給与とは比べ物にならないくらい少ないと言っても良いのかもしれません。
 「どうしてそこまでして会社の維持しなければならないのですか」と素朴な疑問がわき上がってくるのかもしれません。しかしながら従業員の暮らし、取引先(納入業者も含む)対しては、迷惑をかけまいと、なんとかして行こうと必死にこらえているからです。

衝撃的だった報道より

 先日、ある企業の代表者から「120年間続いた老舗の会社のシャッターに「これまで有難うございました」との張り紙があり、代表者が奥さんと一緒に首を吊っていたという話を聞きました。自殺者も年間3万人を越えると言われます。
 昨今の自殺者は、何も労働者だけではありません。会社を経営されている方でも、生真面目な方で、世間に顔向けができない。祖先に顔向けができないという心境も、動機として繋がります。
 当事務所でも、サポートをしております。経営が行き詰まっているときほど、一度、他者からの助言を聞いてみて良いこともあります。
 お電話 頂ければ幸いです
TEL:047-446-3357 司法書士 大山 真 事務所

イタリア ミラノの街並み

上記記事は、今日ブログ「時報」より、2022年6月20日に、本ブログに移植しました。一部加筆訂正しました。

回想

当時の心境として、一連の報道を知って、本当に辛く、世知辛いものだなと思いました。もう少し、打つべき手があったのではないかと、微力ながら考えたものです。

司法書士の業務として、債務整理関係のお話も頂きますが、事業者や経営者からの相談もあるにはあります。ただ破産、再生事案ですと、破産ならば管財事件と呼ばれ、破産管財人が付き、破産手続きを行うため、申立書作成の後方支援までであり、手続きが開始されると、破産管財人たる弁護士先生が立ち振るまうこととなります。再生もほぼ同じように、弁護士の先生が対応することなります。

一方、破産、再生とまでは行かずとも、業績改善に事業の強みを第三者的に見出してもらったりすることは、とっても大事なことで新たなビジネスチャンスにつながることだと思ったりしています。

回想を記している時点でも、急激な物価上昇と為替レートの変動によって、どうしたものだろうと思いながら、郊外で展開している同業者と話をしたら、債務整理案件が増加しているとのことでした。

企業法務に関する概要は、公式事務所Webページでも紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

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昔かし話

 随分前の話を思い出したので記してみたい。

会社設立の相談を電話を受けたが、なんと海外から電話であった。随分日本語が堪能だったので、相談に応ずる返事をして、当事務所で相談を受けた。

 その相談者が言うには、米国で会社を立ち上げ、事業がある程度上昇傾向にあるので、日本でも会社を立ち上げたいとの事、そして日本でも軌道に載れば、中国やアジアにも進出したいと夢を語っていた。

会社は誰のもの?

 会社設立の相談を受けていて、まず初期の出資者をどうするのかと問うたところ、「金は会社にある」と言っていた。そこで「会社は、あなたの物ではありませんよ」といったところ、表情が暗くなり、その後、出資者については自身がなるのか、会社がなるのか検討しますとのことだった。

釈然としない事業のあり方と態度

 そして会社の目的を聞いてみると、釈然としないのである。外国との取引なので、会社が自らの資金で仕入れ、輸出、輸入、そして自国で販売ならば、商社的な取引関係となるので、あまり問題は生じない。ところがその事業とともに、一部では、お客自身が海外で売買契約により買い付けた物を紛れ込ませて、自社で買い取った物と混ぜて輸出、輸入をするというのである。これだと狭義的に、物流の概念が入るので、通関や運送の業務が不可欠ではないかと気になった。何度も調べてみたが、どうも釈然としない。

法の抜け道なのでは?

これでは税関・国内の運送事業の許認可逃れの疑いがあると思ったので、 再度、依頼人に会社の目的のことを聞いたところ、「通関業務はやらない(手続きが面倒なので、業務としたくないのであろう)」そしてしびれを切らしたのか、「先生のスキルが足りないんじゃないの?!」と私を罵り怒りだしてしまう始末だった(笑)。その依頼人は通関士の資格を持っていると言っていたが、そのことを証する書面の提示がなかったので、今となっては持っているという台詞だけで、とても怪しいと今でも思っている。

事業の目的を語るなら簡潔であるべき

そもそも、自身の夢を語るのは結構であるが、自身の業種を聞かれたときに、一言で説明できないのは、結局それだけ、中途半端にしか考えていないのである。もっと目上の方と合うことがあった場合、延々と自社の話をするつもりなのであろうか。随分失礼な話である。
 それにしてもバイタリティがあるなら、なぜ日本でまず会社を設立しないのか不思議に思えた。設立時の出資金がないのは、どんな時代でも言い訳にしかならない。なぜなら、新規事業のためならば、そのビジョンがハッキリしているならば、銀行・金融公庫は快く融資をしてくれる。単純に設立手続きが簡単だから米国で設立したとしか考えられない。
 依頼人は日本にやってきては、名刺を配り歩いていたようである。 きっと依頼人は気がついていないと思われるが、外国会社の経営者として振る舞っているのであるから、詳細は後述するが、幾ら経営者がたとえ日本人であろうと、日本においては外国会社の規定に従わなければならない。

海外の事業者との取引の不確実性(リスク)

 今は、インターネットによって海外とのやり取りは、とてもしやすくなった。ところが注意しなければならないことは、明らかに脱法行為をしている業者を利用する事も考えられる。なにが一番問題か、トラブルに巻き込まれると、海外を相手にするとなると、連絡を付ける術が極端に少なくなる。また日本の裁判権が及ばないことも考えられる。そしてなによりも、もし代金の回収しようと思い、取り立てに行こうとしても、交通費がかかってしまい、費用倒れになるケースも考えられるわけである。

webサイトが日本語表示でも気をつけるべき

 「海外のサイトでも日本語で記されているから安心です」とこんなコピーを散見するが、今一度、日本において外国会社の登記がされているのかを確認してもらいたい。もし登記されていれば、その会社を相手取って、訴訟をすることもできる。もし、登記がされていなければ、基本的に継続的な取引は辞めるべきである。どうしてもならば、一方的に損をすることも覚悟で、自己責任で取引をしていただきたい。

外国会社として登記すべき!

 会社法上では、外国会社は、登記がされていなければ、日本国内に於いて、継続的な取引は禁止されている。また登記に先立ち日本に於ける代表者が日本国内に (日本に在住するという意味で) 住所がなければならない。消費者の方は勿論、あまり海外との取引をされた事がない企業の経営者の方は、注意をする必要がある。ぜひとも外国会社の登記事項証明書を請求していただきたい。

 ちなみに依頼に対して、基本的には耳を傾けなければならないことは確かであるが、法律を逸脱して一儲けする、明らかに違法行為をしようとしている人間に力を貸すことはわれわれはできないし、許されないのである。一緒に毒を食らうつもりもないので、御引き取り頂いた。

イタリア フィレンツェにて

上記記事は、旧ブログ「時報」より、2022年6月18日に、本ブログに移植しました。

回想

会社法および商業登記法の改正があったので、当時の文言のままでは、一部の記載につき、現行法に適用されないことを現時点では、お許し願いたい。なお、登記において、外国会社の代表者住所は、日本国内でなくてもよい取り扱いとなりました。

先のブログ記事の回想にも記したかもしれません。当時のことをこちらの記事でも触れています。

今日の外国会社の取り扱いの強化の報道

2022年の5月6月あたりの報道を見ていると、外国会社の規制を強化しようという動向が見られる。なんと海外のインターネットサービス関連企業は、海外に拠点があり、日本にオフィスがあるものの外国会社の登記がされていないのが実情です。様々な形で、サービスを利用している今日であるにもかかわらず、外国会社の登記さえされていないという実態があります。日本という国家としてしっかり成立している以上会社法を遵守させる必要ですし、日本で継続的に取引をする以上は、登記をしなければならないことをもっと周知させ、罰則を実効性のあるものにしなくてはいけないと考えます。

司法書士 大山 真 事務所
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見直すべきでしょう

 賃貸住宅の更新料に関する問題が、活発化していますね。私は、どちらにつくということではないですが、更新料の性格をもっと明確にすべきだと感じます。
 そうすれば、もっと公平が図られるのではないでしょうか。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090904k0000e040082000c.html?inb=ra

上記はとある新聞社の記事のURLです。
 ある事件は上告審で争うとのことですが、これを期に更新料の性格を最高裁から判示してもらえると社会も、一時的には対応に追われると思いますが、判例法に則ってまた契約事項を構成すれば良いだけのことなのです。
 訴訟で争う程、時間と費用がかかることは、基本的に私は不経済だと考えます。
 契約書面のドラフトのお手伝いを致します。ぜひお電話を…
TEL:047-446-3357

モンブランケーキ?!

上記記事は、2022年6月14日に、旧ブログ「時報」より、本ブログに移植しました。なお、執筆当時有効だった外部サイトのURLページについて、現在は削除されています。

補足および回想

その後、建物賃貸借契約の更新料の問題は、最高裁判決(平成23年7月15日、第二小法廷の判例で一応の決着がつき、以降それほど報道はされなくなりました。結論を記すと、「契約の定めがあれば、更新の対象となる期間に対し過度に高額でもない限り、借主は、貸主に対して支払わなければならない義務を負う。」と決着がつきました。

このときの判例も、事案によりその更新料の性格を判断すべきものとして、最高裁は、更新料のなんたるものかについては、言及してはいません。

契約自由の原則と消費者がする契約

もっとも、契約自由の原則が大前提にある中で、契約の条項の視るにあたり、契約締結後に、どのような権利義務が発生するのか、その予見することができるかどうか、すべての消費者に備わっているとは言いがたく、これまでの慣習もあり、その上でこれまでの更新料という請求権が成り立っていることも確かな事実であろうと思います。

私法(権利義務に関する法律)は、そのときの社会情勢によって、弾力性をもって規定されるものですが、あまり不明確な文言に基づく権利義務に関する条項は慎むべきで、契約当事者どうしが納得する契約になるようドラフト時に努めたいものだと感じます。

契約書等のドラフト作業にも、当事務所は対応していおります。その他業務の概要は、当事務所公式webページをご覧ください。

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TEL: 047-446-3357

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不況なときほど、見直すべき

 経営者の方に、耳寄りなお話を記したいと思います。

 先日、ある会社代表者から、企業内統治のことで相談を受けたときのことです。「不況により、これまでも日々の日常業務から経費を削減してきたが、更に無駄な経費を削減したい。どうしたら良いか?」と相談がありました。

 私は、まず役員の事をお聞きしました。すると「(実体は、)ぜんぜん業務執行どころか、設立後、会社に現れたことがない。でも僅かばかりの役員報酬は支払っている」とのこと。さらに、この役員は、単に名前を借りているだけであった」と言うのです。
 私は、「これまでの付き合いもあるでしょうし、何らかしら関与しているでしょうから、任期まではこれまでどおりとして、任期が満了したら、会社役員の構成を抜本的に見直してはどうか」と助言しました。
 すると、「費用がかかるんでしょ?!と」おっしゃったので、月にこの役員に幾ら払っているのですかと尋ねると、月◯万円とのこと、資本金が大きくない会社だったので、登記申請手続費用は、ご自身で申請するなら、郵送料と登録免許税(資本金1億円以内であれば1万円)以外はかかりませんよ」と助言しました。

 もちろん、これまでの役員の方には、これまでの付き合いもあるのでしょうから、僅かばかりながらのお礼でもって一言声をかけておく必要はあるでしょう。

そのまま放置しても何も変わりません

 何も手続をしなければ、経費はどんどん出て行きます。まずは役員についても不況な時ほど見直すべきだと考えます。

 商業登記申請は、大きな会社だけが自身で申請ができるという錯覚をお持ちになっているかもしれませんが、中小企業であっても、専門家の指示を仰ぎながらでもできると考えます。
 ご相談をお受け致します
TEL:047-446-3357

高速道路より眺める

上記記事は、2022年6月14日、旧ブログ「時報」より、本ブログに移植しました。

補足

最近設立する会社は、発起人が一人、設立時の取締役が一人の会社を設立することができるようになったので、上記の問題は、生じることはまず無くなりました。

旧商法時代に設立された会社

当時は、まだまだ旧商法時代に設立された会社が多く、名義株主(発起人の最低員数を満たす必要があるため、名義だけ貸していた発起人:会社成立後は名義株主)、名義取締役・名義監査役(現行会社法で置き換えると、取締役会および監査役設置会社であるが、旧商法時代は、いずれも必須機関であったため、実際には経営には関与せず、単に法人格を取得するために、名義だけ貸したが、登記され続けている役員)の存在があります。

設立要件の変遷

発起人7人、成立時の取締役は3人、監査役は1人、資本金は金1,000万円以上、必要だった株式会社の成立要件が、幾度となく見直され、成立から3年内に、最低資本金1,000万円とすることを解除条件とする、いわゆる確認会社の制度の廃止、最低資本金制度の廃止、旧商法から会社法への改正とともに、最低限の期間構成として一人株主、一人取締役とする株式会社も設立することができるようになりました。

名義株主および名義役員について

上記のような事例は、旧商法時代に設立された会社で、やはり中小企業に特有の問題だと思います。ただ、この問題を放置すると、今後どのような問題が生じるでしょうか?

名義株主の場合は相続

それは、名義株主については相続の問題が生じた場合、問題になることがありえます。

名義役員の場合は機関構成

名義役員は、お亡くなりになられたとき、機関構成がそのままであると、新たな役員の選任就任が必要にもなります。もっともこれを機に、機関構成を変更する、実体に合わせることを考えても良いのかもしれません。

機関構成・役員変更の相談を承ります

司法書士大山 真事務所では、会社法人の機関構成や役員変更の相談にも、対応しております。なお、概要は、当事務所公式Webページでも紹介しております。ぜひご参照ください。

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事務所より 会社・法人・企業法務

契約書面のドラフト一緒に検討します

 よく相談にあるケースとして、契約に関する書面を契約締結後に、相談に来られる方がいらっしゃいます。普段は、書面なんてあまり気にしていないのでしょう。でも問題が生じると、これで良いのかと質問を投げかけられることが多いにしてあります。
 お客様の中には、こんなはずではと言って、持って来られるお客様がいらっしゃいます。

契約書の役割

 この契約書は、どのように機能しているのでしょうか、実は一番活躍する場面は、訴訟になった時点なのです。即ち裁判で役に立たなければ、なんにもならないのです。
 単なる売買契約書のみならず、これまで、何度か取り上げている定款についても同じです。

会社法人の定款の役割

株式会社の設立でなぜ定款の認証が求められるのか、なぜ当事者の意思だけでは駄目のか、それは、発起人間で約束したことは絶対であること、また基本的には約束事は変更はできないのが前提であり、その証を確固たるものとして、定款という書面を作成して、公証人の認証を受けることが必要なのです。そうすることで、表示した意思は安易に変更ができないのです。実務的では、 レアケースとして一部事項として認められているケースもありますが、基本的には 再度作成し直して認証をもう一度受けなければなりません。

ドラフト作業で大事なこと

 そしてもっと重要な事は、作成をしたら必ず読み返すことです。定型書式は便利で、実務の先生も多用して使っていることもあります。でも個々の事案は、それぞれ形が違っており、定型の書式に当てはめようとしても、上手くいかないものです。確認をする意味で使うのは十分有意義だと思いますが、定型書式を過信して、見直しをせずに、契約のときに使用するのは、もしかしたら自分たちについて不利な条項が付いてるかもしれないことを見逃してしまう危険もあり得ます。
 司法書士大山 真事務所は、お客様の視点から紛争防止の観点を駆使して、契約書類のドラフトのお手伝いを致します。

某所パーキングエリア

上記記事は、旧ブログ「時報」より、2022年6月8日に

本ブログに移植しました。なお、題名および本文について加筆修正しました。

なお、会社法人に関する企業法務に関する業務の概要は、当事務所webページ でも紹介しています。ぜひご参照ください。

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