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不動産登記申請 民事信託・遺言・後見・相続

今日(こんにち)の相続手続

こんにちは 日本特有のお盆休み ですね

近頃の相続手続については わざわざ司法書士に手続きを依頼することがだいぶ減ったのかなと感じます

特に 生存配偶者が相続人兼主導権を持っている方がいらっしゃる場合は まず相談さえも来なくなったように感じます

まぁ 事実上の行政主導によって 本人申請の事案が増えているのだろうと感じます

それでも 以下の事案では 相続人自身では 難しい事案なのかなと考えます

  • 生存配偶者がいない被相続人からみて子のみが複数の相続人であるが 相続人どうしが疎遠である場合の相続手続
  • 被相続人に子がおらず すべての尊属も他界し 兄弟姉妹が相続人である場合(生存配偶者の有無に関わらず)

上記の二つの事案は 相続関係を証明する書類を入手することが難しい事案もあるため ぜひご依頼いただければと思います

相続手続の相談を承ります
司法書士 大山 真 事務所
TEL:047−446−3357

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事務所より 民事信託・遺言・後見・相続 法教育

相続登記の主登記,付記登記

こんにちは、今回は、不動産登記、特に相続登記の主登記と付記登記のことを記します。

なんだか、マニアックな題名だなと思いながら、投稿を記している段階では、適切な題名が浮かばないので、そのまま記しました。実は、相続のことと改正後の不動産登記の実務に大きく影響するので、おさらい・確認の意味を込めて、記そうと思います。

まずは条文を当たる

まず条文を当たります。引用元は、E-Gov からです。不動産登記法の第4条および第66条の規定です。

驚いたことに主登記と付記登記の定義は、第2条の定義規定の中にはありませんでした。そうすると、直接記載されている規定を当たったところ、以下の2か条にその記載があります。

詳しく見ていきましょう。まず第4条から

(権利の順位)
第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。
 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123_20210428_503AC0000000024&keyword=不動産登記法

(権利の変更の登記又は更正の登記)
第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123_20210428_503AC0000000024&keyword=不動産登記法

不動産登記法第4条をよく見てみる

どうやら第4条の第二項の括弧書きに、その記載がありますね。
以下は、その括弧書きを抜きだしてみたものです。

「権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下(省略)。」

とあります。

まず、前提として権利に関する登記であること。

次に所有権に関する登記と所有権以外の権利に関する登記について、意義づけが分かれます。

所有権に関する登記について注目してみると、以下のことが読み取れます。

  1. 既にされた登記についてする登記
  2. 当該既にされた登記を変更し、もしくは更正する

ここで、留意しなければならないのは、条文には、謳っていませんが、権利の主体に完全な変更はないことです。例えば、「法務太郎」さんが不動産の所有者として登記されていたところ、結婚を機に、「民事太郎」さんに名前が変わったとしても、それは、「氏」苗字が変わっただけで、所有者が別人になったわけではなく、登記名義人の氏に変更があったので、その変更登記申請をすると付記登記がなされます。
 詳細は別の機会にしますが、権利の主体が完全に変わってしまう場合や先に引用した第66条の規定のとおり、登記上の利害関係を有する者からの承諾がなければ、更正・変更登記申請による付記登記はすることはできない事案もあるにはあります。

念のため、所有権以外の権利についても、その付記登記の運用の仕方を確認しておきます。もう一度第4条の規定をみて、括弧書きの、「又は」以下の記載の抜粋を以下に記します。

又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。」

とあります。所有権以外の権利というとなんだかいっぱいありそうな気がしますが、実は9種類しかありません。それらの9種類の権利は、乙区に記載されるわけですが、その保存、設定された権利の登記について、権利の移転があった場合、その権利の上に設定したまたは保存した場合は、所有権に関する登記とは違い、付記登記によって公示されます。もちろん登記された所有権以外の権利に関する登記についても、変更・更正し一体として公示する必要があるものは、付記登記でなされます。

変更更正の登記について詳細を確認するなら、第66条もしっかり見なけければならないのですが、今回は、相続により所有権を取得した際の登記に関することを記そうとしているので、第66条の規定の解説は、別の機会にしたいと思います。

改めて不動産登記法第76条の3を見てみましょう

以上のことを踏まえて、不動産登記法第76条の3を見てみましょう。引用は、E-Govからです。

(相続人である旨の申出等)
第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。
 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。
 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。
 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。
 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123_20240401_503AC0000000024&keyword=不動産登記法#Mp-Ch_4-Se_3-Ss_2

さて相続登記が義務化されたのですが、遺産の分割協議がまとまらず、立ち往生する事案も確かにあるにはあります。そうすると相続による共有状態が生じるわけですが、最終的に誰に帰属するのか判らないため、登記申請ができないという事態も生じます。
それでは登記申請をしなくて良いのかというと、それを認めてしまうと、元の木阿弥となってしまい、政策的に目指したにも関わらず法の抜け穴となりうるため、現在、その相続による共有状態が生じていて確定的ではないにしろ、その不動産(正確に言うと相続分に基づく持分)の権利を保有している人物が誰なのかを登記簿上把握させるための制度として、第76条の3が新設されました。申出をすると、登記官は同条第3項を根拠に「『付記する』ことができる。」とあります。

付記登記の意義づけを再確認する。

さて、ここで「付記」という言葉が出てきました。その内容は、第4条と類似します。ただ相続があったということは、権利義務を包括承継し、主体も相続人に移っているはずですが、後に遺産の分割により、第三者の権利を害さない程度に、相続の時まで効力が遡り、結果的に協議により不動産を取得(承継)した相続人が、相続によって取得し、その不動産の相続人となるわけです。換言すると「付記」のままでは、完全に権利の主体が変わったことを公示しておらず、相続によって権利を取得した登記をしたことにはならないのです。

さて冒頭に記した付記登記の仕組みを見た上で、法第76条の3を再度よく見ると、法第76条の3の規定に基づいた申し出をしたのちに、相続人間で協議がまとまったときから3年以内に相続の登記申請をしなくてはいけないことがよくわかると思います。

申出をしただけで、相続登記をする義務は、最終的に免れるか?

 ところで第76条の3第2項のみなし規定は、「第76条の2第1項の規定に基づく登記の申請する義務を履行したものとみなす。」とあります。この規定は、第76条の2第1項の登記を受けたいと考える相続人もいれば、そうでない相続人もいるかもしれません。
そもそも第76条の2第1項の登記は、単有もしくは一部の共同相続人で不動産を取得した相続人がする登記申請の義務を負うことを指すこともあれば、法定相続人全員が登記名義人として登記を受ける保存行為としての登記の性格の規定であるようにも見えます。ただし、後者の取り敢えず法定相続に基づく登記申請だけしておく場合でも、当該登記申請だけでは、その後、共同相続人全員で売却し、金員を受けるのか、それとも協議が整わず相続人間で紛争が生じている過程で、一共同相続人の権利を保全するために登記を受けたのか判然としないため、登録免許税は租特法の適用を受けることなく、本則で課税されます。
そうすると事案によって多少の違いはあるにせよ、一回で済ませられる登記を複数回に分けて行う登記申請手続である以上、登録免許税は結果的にほぼ同額となり得ますが、添付しなければならない書面の準備負担が大きく異なってきます。そのことを考慮に入れると安易に法定相続に基づく登記申請をすることを敬遠する事案もあると思います。

実体上、遺産分割協議が争っているため長期化している事案もある最中、法定相続に基づく相続登記は抵抗感を覚える事案もある

もっともその時点で相続により不動産を取得する相続人が確定していないにも関わらず、事情を知らない法務局では、法第76条の2第1項を根拠に過料の制裁の手続きせざるを得ない事態となります。そこで、この申出をすることにより、「申請する義務を履行したものとみなす。」の規定により、当該制裁を回避できると考えられます。後の通達等で解釈が明らかにされると思いますが、この規定の効果は、申出をしてもらえれば、過料の制裁から回避することを意味しているに過ぎないと考えられます。

昨今の市区町村の固定資産税課の対応を見ていて

相続手続きは千差万別ですが、登記申請を始め、相続手続きの経費は、抑えたいという心理が働くようです。そう考えてみると、早期にしなくても問題ないですよ、いつでもいいですよ、と言っていた某市区町村の固定資産税課の職員の言葉と、その言葉を聞いた相続人であろう来庁者の安堵した顔を私はよく覚えていますが、今時は、そのようなセリフは聞かなくなりました。現時点で、国土に換算すると、九州分の土地が、所在者が不明または誰と交渉して良いのか判らないくらいの広さまでになるそうです。

不動産登記法の改正の報道を見ていて

不動産登記の改正を受け、浮き足立つ報道機関、SNSで「それは誤解だ」と豪語する同業者等を見てきましたが、現場(法務局)でどれほど説明をしなければならないのか、これから骨が折れる作業がありそうだと思われます。もっとも今の社会は、冷静に細かく取り上げても、皆さん時間がないのでしょうね、しっかりご覧になってくれることはあまりないのかもしれませんし、丁寧に対応しようとすればするほど、煙たがられる傾向もあるようです。それほど慌てても、苦労することは落ち着いて取り組んでも同じですよと言いたいのですが、それだとだれも(法務局に)来てくれないと行政は考えたのかなと感じました。

いろいろ記しました。機会を設けて、もう少し整理して発信していこうと思います。

長文をご覧になっていただいてありがとうございました。

相続手続きについての概要は、当事務所ホームページをご覧ください。
なお、相談は随時受け付けております。
司法書士 大山 真 事務所
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梅の花です 青空の下は映えますね
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郊外の不動産の処分のこと

先日、同業者と電話会談をした際に、不動産の処分、生前贈与のことが話題に上がりました。

郊外の不動産売却等の処分に時間がかかる

近頃は、売却しようにも随分時間がかかり、全く売れない事象も郊外では少なくないようです。

市街地に住んでいて、郊外に幾つかの不動産を所有していらっしゃった方が、毎年定期的にその不動産を訪れ管理されてたそうですが、高齢のため難しくなったため、思い切って不動産を処分することにしたそうです。

売れないなら貰ってもらうこと(贈与)も考える

その際の契約は、なんと「贈与(契約)」だったそうです。

修繕や固定資産税の負担をよく考える

よく話を聞くと、親戚に車を出してもらい 半日移動に費やし、修繕して戻るを、各不動産にしていたそうです。

高齢になり、管理の負担が過多になり、売却を進めようとしても、郊外で買い手もなかなかつかず、いっそのこと、近隣の方に「贈与」で手放されたそうです。

確かに売却まで漕ぎ着けるには、物件によっては相応の時間を要することもあります。価格設定によって、引き合いもない事案も多いのかもしれません。

売却に至るまでの期間、税金、修繕等の維持費の負担する期間

いっそのこと贈与してしまった方が話も早くまとまり、毎年の費用負担、固定資産税等の納税義務から早く解放されることが大きなメリットとなるようです。

貰い受ける側の負担も考慮

もっとも貰い受ける側は、贈与税のことを意識する必要があります。

不動産の相対取引に関する登記相談を承ります
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遺言について その対抗要件について

 民法の改正により、遺言による相続によって不動産の取得についての対抗要件が注目されています。この不動産取得の対抗要件ですが 不動産については「登記」ということになります。一方、債権に対する対抗要件は「通知」ということになりますが、現時点で考えられる具体的な方法は「遺言の内容」を通知することとなります。

 やや気になったことですが、抜粋していいのかという疑問がふつふつを浮かんできました。
 もっとも債権債務の関係から、法律上、他のことについては基本的に開示する必要はないと考えます。

なぜことのことを記しているのかというと、今回の法改正により、特に遺言による相続させる旨の記載があった際の不動産の対抗要件のあり方が見直されるからです。民法改正前は、遺言があれば、登記無くして対抗できました。しかしながら改正後は、原則どおり登記をすることによって、第三者に対して対抗要件が付与される取扱いとなります。

第三者の対抗要件についての考え方は、事実関係について当事者なのかそれとも第三者なのかを意識しなければなりません。

もっとも相続は被相続人の権利義務を包括して承継するという大原則があったので、争う余地残されていたのですが、今回の改正で一元化され、落ち着けば良いと思っています。

もちろん、登記申請はすべきと考えます。

遺言に関する相談を承ります
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もう秋が始まりましたね
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相続財産目録(遺産目録)について

こんにちは

相続財産目録の記載について、解説した動画を公開しました。よろしければ、参照いただければ、幸いです。

相続財産目録(遺産目録)について