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法務局の自筆証書遺言の保管の申出をする際に具体的に必要なこと

こんにちは

今回は、「遺言者が手続きを行う、法務局の自筆証書遺言の保管の申出をする際に具体的に必要なこと」を見ていこうと思います。

まずは、遺言を記さなければいけません。もちろん自筆証書遺言です。このことは先の記事に記しているので、以下を参照してくださいませ。

さて、自筆証書遺言を記したら、どこの法務局に申出をするのかを決める必要があります。また申し出た法務局は、今後、追加的に再度の申出をする際も、同じ法務局である必要があるので、注意が必要です。

どこの管轄の法務局なのか、2または3つの法務局が管轄をもつと考えられます。

  • ご自身の住所地を管轄している法務局
  • ご自身の本籍地を管轄している法務局
  • ご自身が所有する不動産の所在地を管轄している法務局

ただし、不動産登記の管轄が出張所である場合は、その出張所では、扱ってはおらず、出張所を統括している支局に管轄がある場合があります。例えば、千葉県白井市にある不動産を所有する遺言者が、その所有不動産の管轄に基づいて、申出をする場合は、佐倉支局が取り扱ってくれることとなります。

そのほか具体的に、どこの法務局であれば受け付けてくれるのか、以下のURLを参照ください。

http://www.moj.go.jp/content/001319026.pdf

では、どちらの法務局に申出をしようか決まりましたら、法務局に電話もしくは予約専用ホームページにアクセスして、予約手続きを行います。以下に予約専用ホームページのURLを記します。

https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/

念のため、法務省ホームページから予約に関する注意事項を引用します。
どうかご留意を。

予約に関する注意事項等について
 1 予約は,手続をされるご本人が行ってください。
 2 予約を行うことができる期間は,当日から30日先までです。
 3 予約日の前々業務日の午前中まで予約することが可能です。
   例)7/13(月)の予約は,7/9(木)12:00まで予約可能。
 4 当日の予約はできません。

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00010.html

ところで、準備しなければならないものは遺言書だけでよいのかというと、そういうわけにはいきません。以下に、準備する書類について記します。

  • 遺言書
  • 住民票の写し(本籍地および戸籍の筆頭者の氏名記載のもの、なお個人番号は載せないこと)
  • 申請書
  • 遺言者の本人確認書類(写真付きの身分証明書等)

ところで、3つめの申請書について、まだ触れていなかったので、ここで触れます。以下のURLを参照してPDFファイルをダウンロードしてください。

http://www.moj.go.jp/content/001321933.pdf

提出後、機械による読み込みをするようなので、できるだけパソコンで打ち込まれた申請書を準備することをお勧めします。作成が難しいようであれば、当事務所もしくは最寄りの司法書士事務所をお訪ねください。

さて、どちらの法務局を利用することが決まり、予約ができ、申請書も作成ができたところで、あとは、予約した日時に法務局に出向き申出をします。不動産登記のように審査に数日をようするわけではなく、即日審査受理が原則ですので、問題がなければ、申出日に、保管がなされます。

ここまで、一連の流れに着目して記しました。何れにしてもポイントとして、どちらの管轄を選択すべきか? 保管がされてから、転居する可能性があるのか、この管轄のことを詳しく記していますが、万が一申出の撤回(保管がなされた後、保管をやめてもらう手続)をするときは、申出をした法務局のみが扱うこととなります。ところで、転居したのちに、追加的に遺言を保管してもらうこととなった場合は、前回保管の申出をした法務局に申出をするには、問題はありませんが、他の法務局での申出を考えたとき、一度撤回し、遺言書の返還を受け、他の法務局で、再度申出をする必要があります。ただこの場合は、撤回時と再度の申出時に、費用がそれぞれ発生するため、やはり少し先の将来も見越して、遺言書を作成し、保管の申出をすべきと考えます。

遺言書の作成について、相談を承ります。
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

gakuajiai
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遺言について その対抗要件について

 民法の改正により、遺言による相続によって不動産の取得についての対抗要件が注目されています。この不動産取得の対抗要件ですが 不動産については「登記」ということになります。一方、債権に対する対抗要件は「通知」ということになりますが、現時点で考えられる具体的な方法は「遺言の内容」を通知することとなります。

 やや気になったことですが、抜粋していいのかという疑問がふつふつを浮かんできました。
 もっとも債権債務の関係から、法律上、他のことについては基本的に開示する必要はないと考えます。

なぜことのことを記しているのかというと、今回の法改正により、特に遺言による相続させる旨の記載があった際の不動産の対抗要件のあり方が見直されるからです。民法改正前は、遺言があれば、登記無くして対抗できました。しかしながら改正後は、原則どおり登記をすることによって、第三者に対して対抗要件が付与される取扱いとなります。

第三者の対抗要件についての考え方は、事実関係について当事者なのかそれとも第三者なのかを意識しなければなりません。

もっとも相続は被相続人の権利義務を包括して承継するという大原則があったので、争う余地残されていたのですが、今回の改正で一元化され、落ち着けば良いと思っています。

もちろん、登記申請はすべきと考えます。

遺言に関する相談を承ります
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

もう秋が始まりましたね
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終活について

こんにちは

就活ではなく 終活についてです

なんだか こう記していて 漢字変換で 「終活」が2番目に表示されることについて どうしたものかと思います

それほど この「終活」という言葉は 世の中に浸透したのでしょうか

当職は「もっと楽しいことに時間を使ったらいかがでしょうか?」
と問いたくなるわけですが やはり気になりますか? 「終活」

やはり気になっていらっしゃるから このページをご覧になっていらっしゃるのですよね

もちろん ご自身の最後についての対策(活動)という意味づけもあります

そこで 死後のことに備える準備をどうしてもしなければ落ち着かない そのことをすることによって 平穏な生活を送ることができる と考えていらっしゃる方にとっては 是非とも「終活」をすべきかなと思います

はじめに記しておきますが ご自身で決めたことに囚われてもいけないと思います

「終活」の基本姿勢は 今のご自身の生活をより良くすることが根底になければいけません
 推定相続人のこと 物理的な不動産を指していらっしゃるのか 明治から終戦前の昭和の頃までの家族法を意識してのことなのかは定かであはりませんが 「家」のこと という漠然とした不安もあるのかもしれません

 でも 終活の根本的な目的は 「今のご自身の生活をより良くすること」であると 当職は考えます。

故に ご自身が決めたことを守らなくても良いと考えます 成り行きで守れないこともあるかもしれません でもそのことで持って卑屈になる必要はありません これからも元気に過ごせば良いのです

こんなご時世 方針転換なんて 世の常だと割り切っていた方が ずっと気が楽になると思います

次回以降の機会を設けて この「終活」をテーマとした投稿を継続していこうとおもいます

終活についての相談を受け付けております
白井市冨士地区の方であれば、初回30分相談料無料で対応いたします。
司法書士 大山 真 事務所
Tel: 047-446-3357

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これからの遺言書の作成についての留意点

こんにちは
今回は 遺言書の作成 特に自筆証書遺言について記したいと思います

遺言の内容の注意事項の詳細を色々と記そうと思ったのですが 要式行為である以上 基本的なこと記さないわけにはいかないこと また改正後既に施行している規定こともあるので まずはもっと要式にこだわったことを記していこうと思います

さて自筆証書遺言ですが 改正により財産目録の記載方法が緩和されたことを以前記しましたました

では その他のことについてはどうなのか?

基本的には 変わってはいません

やはり

  1. 自筆ということですから ご自身で記さなければならないこと
  2. 名前を記さなければならないこと
  3. 印を押さなければならないこと
  4. 日付を記さなければならないこと

この4つの注意事項は改正後も変わりません

もう少し 極端なことを表現すれば この4つのことを守ってさえすれば 表題に「遺言書」と記さなくても 本文を見て 遺言者の最後の意思表示を遺したと 事実認定されれば遺言ということとなります

上記の4つのうちの一つが欠けてしまった文書は どれほど財産目録が正確に記されていたとしても 受遺者(遺産ももらう人のこと)を記した時点で明確に特定できるように記したとしても 遺言として取り扱うことができないこととなります

ご留意いただきたいと思います

遺言に関する相談を承ります
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

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養子縁組と相続の問題

こんばんは

最高裁より 需要な判例(養子縁組無効確認請求事件:専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない)が出ました。

内容は、養子縁組と相続についての問題でした。

養子縁組は、養親および養子について、その成立について、各要件が定められていますが、婚姻に関する規定も準用しており、養子縁組をする意思とその届出が要件となっています

今回は、特に養親が、養子縁組をする意思があったのか 単に相続税の節税の効果を受けるための手段としてなされたもので、縁組をする意思はなかった 故に無効の養子縁組だったのかが 争われたものでした

判例は、

専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない」

と下されました。

一共同相続人の妻または子が被相続人と養子縁組をした場合、遺産を共同相続人世帯別で分け合う相続分を計算すると、その養子縁組した一共同相続人世帯が受ける相続分は他の共同相続人よりも多くなります。そうすると他の共同相続人にとって、不公平なことになりかねません。

また養子縁組をした動機は、節税対策だったと主張されています。確かに相続税の基礎控除の計算について上限がありますが、養子の存否によって控除額が変わってきます。もっぱら節税目的のための養子縁組は、養子をするという意味に含まれるのか、疑義がある様に思います。相続税法を見た場合、実子の存否によって、養子を基礎控除算定について、その相続人の数に含める員数は2人もしくは1人を含めて計算することができるのであり、無尽蔵な縁組をすることによる租税回避はできない態度を取っています。そのことを考えると、租税を免れるためだけの手段としての養子縁組は、制度の乱用であって、実体が伴っていないといわざるを得ません。

では、相続税の節税対策を講じるとはどういうことなのでしょうか。被相続人にとっては、相続対策の効果が生じるのは、自らが死去してしまった後のことことであり、その死後においては、生前の様に自らの利益だけのために養子縁組をしているわけではなく、相続人らに対して少しでも節税して遺産を相続してもらうため対策をこうじたというに他ならないと思います。そうすると、やはり判例を要旨のとおり、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合だったとしても直ちに…縁組の意思がないときに当たるとすることができないのではないかと考えることができます。

実子たる共同相続人が受ける相続分の配慮がなされていれば、この紛争は、もしかしたら回避できたかもしれません。やはり、日頃からのコミュニケーションがあった上での遺言で遺産分割の指定をすること、絶大なる推定相続人が存在すれば家族信託を活用を考えても良いかもしれませんね

遺言・家族信託に関する相談を承ります
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

海ほたるより西を望む