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有限会社を解散・清算する前に考えること

こんにちは やや古いネタかもしれませんが、まだまだ知られていないようなのです、あえて記します。 会社法が施行されてから 法令上 有限会社は株式会社の仲間入りを果たし「特例有限会社」とする株式会社となりました。 もっともま […]

こんにちは

やや古いネタかもしれませんが、まだまだ知られていないようなのです、あえて記します。

会社法が施行されてから 法令上 有限会社は株式会社の仲間入りを果たし「特例有限会社」とする株式会社となりました。

もっともまどろっこしいので ここでは単に「有限会社」と記します。

さてこの有限会社も株式会社なのですが、普通の株式会社とは違って、役員の任期が存在しません。なので、役員が引退する・お辞めになる(辞任)、解任される(解任)、亡くなられる(死亡)、会社の解散(取締役の場合に限る)でもない限り、ずっとそのままという会社は少なくはありません。えっ…普通の株式会社とどう違うのか、すなわち役員の任期が存在しないのです。すなわちある一定の時間が経過し後任者が就任した時点で、役員の任務を終えるという事象が存在しないこととなります。このことを裏返して表現すると、役員の出入りがなければ、役員の任期が存在しない以上、役員変更登記をするタイミングが皆無であるということなんです。99パーセントの株式会社が中小・零細企業なのですが、それでも役員の任期は有限に存在しています。一方有限会社は、役員の任期は、定款で具体的にでも定めない限り、任期満了して退任をすることはありません。

役員の任期が存在することによって、実質役員の出入りがないにもかかわらず、役員変更登記を申請しなければならないというのは、どうしたものかと思われているのかもしれません。そうであれば、有限会社を設立して、事業を譲渡して、整理するということも考えられなくはないのですが、新たに有限会社を設立することができません。ではどうしたら良いか…。

設立ができなければ、有限会社という法人を買い取り、役員として就任に、事業を移し替えるということも考えても良いのかもしれません。少子高齢社会が進み、仕事を引退される方も多いと思います。もしかしたら事業を辞めようとしている関係業者や顧客の中に有限会社が存在しているかもしれません。事業を止めようとしていらっしゃる有限会社の財務状態(いわゆるデューデリジェンス)が大事ですが、これから発生する役員変更の登記に関する諸経費を考えた場合、究極の方法として、一考の価値はあるのかなと思われます。

一方、これまで有限会社として営んでいたが、事業をお辞めになり、清算して、終わらせることを考えていらっしゃる有限会社様については、場合によっては、事業を廃止しても、法人格そのものについては売買する価値はあるのかもしれません。解散・清算の手続きを完了してしまう前に、法人格を売却することを考えても良いのかもしれませんね

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司法書士 大山 真 事務所
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