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更新か再契約か(賃貸借契約のこと 続き)

こんばんは

2月に入りました
いかがお過ごしでしょうか
この記事を記している2月4日は立春ということで 日中は比較的寒さも和らぎ 過ごしやすく感じました

さて 先日の投稿の続きを記したいと思います

賃貸借契約の契約期間満了を迎える前に その契約の更新とするのか終了および再契約とするのか 気を付けなければならないことがあると記しました

ズバリそれは「他の権利との対抗関係」のことです

借地権を考えると 借地借家法の規定は 借地上の建物を保護することが趣旨であるので 担保権よりも自らの建物に関する登記が先になされていれば 土地についての地上権または賃借権の登記がされていなくても 建物所有者は、競売によって買い受けた者に対して 権原に基づいて 土地を使用収益できる地上権または賃借権を持っていることを主張することができます

そうすると 既存の賃貸借契約を継続させた方が 借主の保護という観点からは問題ないと考えます もっとも 貸主側にとってみると 土地の活用についての柔軟性は失われ 思い直したとしても すぐには 自身の直接占有に戻すには 難しい場合が少なくありません

やや論点がそれてしまいましたが この賃借権の対抗要件ですが、 更新ならば存続します ところが契約を終了して 直ぐ様 再契約をとした場合 契約が終了している以上 既存の契約に基づく 対抗要件は消滅してしまいます そして再契約時に新たな対抗要件が付与されるわけですが 事実上 既存の担保権等の順位が繰り上がってしまうことと同じこととなるわけです

もしも 賃借権が第一順位であって 担保権よりも順位が優先するならば 普通賃借権であれば 賃借人は 更新による継続を考えた方が良いという結果になります

Maco’s Foto Moon
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更新か再契約か

こんにちは

賃貸借契約に関することで 契約期間継続中の時に相談を受け ドラフト作業をしているのですが 立ち止まって考えたほうがいいと思ったことを記します

賃貸借契約については当事者・物件・その利用方法によって 気をつけなければならないことがあります

借主の

  • 住まいのためであれば 底地を借りて 自所有の建物とするのか( #借地 )
  • 建物を借りる( #借家 (現在は建物賃貸借と呼ばれることが通常です))のか
  • 事業用として その用地を借りるのか(事業用借地権)
  • 建物を借りて その建物を事業として使うのか(事業用建物賃貸借)

ということが考えられ

普通賃貸借なのか定期としての賃貸借なのか

によって 契約の更新 法令上の期間 そして契約の終了が変わってきます

もう一つ気をつけなければならないこととして 継続中の賃貸借を更新とするのか終了させて再契約とするのかは 慎重な検討が必要な場合があります

続きは次回以降に記したいと思います

司法書士 大山 真

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会社設立について

こんにちは

時々問い合わせいただく 会社の設立があります

ただ 質問内容によって 回答に困ってしまう内容があります それは 会社設立時のみならず 成立後にも重要な要素となる「資本金の額」のことです

この資本金の額については、発起人である方がしっかり決めていただく必要があります

確かに法令上 1円(とある書籍によっては0円)から資本金の額として 設立することは可能です しかしながら会社成立した途端 債務超過及び欠損が生じている会社となってしまいます
なぜなら成立前までの 経理処理について 定款の認証を受けるにための公証役場に納める手数料(だいたい5〜6万円程度)及び紙面の原始定款であれば、印紙税4万円及び法務局への会社設立の登記申請の際に納税する登録免許税15万円は、最低限かかります。また定款の作成から登記申請に至るまでの書面の起案や公証役場への認証を受けるための代理及び法務局への登記申請の代理を司法書士に依頼する場合の別途報酬がありますが それらの費用は 実は発起人組合(発起人が一人であればその発起人その人)が立て替えて負担しています 会社成立と同時に 発起人に対して立替金を返済する義務を会社は負うこととなります
その立替金を清算した結果 会社の貸借はどうなるのでしょうか もちろん出資された積極財産から賄われるため あまりにも少ない資本金であると 設立費用でさえも賄うことができない「資本金の額」である会社 ということになるわけです

もちろん 資本金の額は「登記事項」でもあるので設立時に発起人らは、いくら出資したのかを知ることができます そうすると設立費用は(よほどのことがない限り)だいたい決まっていますので これから取引を始めようかなと思っている金融機関にとって まず関心を持っているのは登記の状態です ここで違和感のある登記事項である場合 場合によっては口座を開設することもできないという事態も考えられます そもそも 設立費用さえも賄えない資本金(元入れ)の会社を取引相手として受け入れていいのかという問題も生じるわけです

取引の相手となろうとしている利害関係者は 貴社の承諾なしに 登記事項証明書を入手できます 資本金の額はいわば その会社の取引規模を表していると言っても過言でもなく よほどの知り合いでもない限り 少ない資本金の額が登記されている会社を信頼してほしいと言われても 容易ではないことを簡単に想像することができます

ついでながら 資本金の額に対して税率1000分の7を乗じて得られた結果が15万円を満たなければ、15万円とする扱いなので 資本金の額が21,428,571円以下であるならば、登録免許税は事実上一律15万円となります もう少し見方を変えると資本金の額が1円から21,428,571円までは登録免許税は一律15万円であることが言えます そうであれば とにかく会社をいち早く成立(法人成り)させたい 利害関係者もよく判っているから大丈夫 後日追加出資をするから とにかく設立を急ぎたいという要請でもない限り 資本金の額を少額にして会社を設立することはお勧めしません

最後になりましたが 資本金の額はいくらが適切なのかと 単に電話で どこの事務所に聞いたとしても 的確な情報は得られないと考えますし ご自身で決める経営判断であることを申し添えます

会社設立の相談を承ります
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

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費用と報酬について

こんにちは今回は 費用と報酬についてです

「報酬・費用」 気になることはわかります

それでも電話のみの問い合わせでは 即答は致しかねます

なぜなら 依頼の内容がはっきりしないからです

もちろん問い合わせが 不動産の登記申請をしたいことはわかります

しかしながら 登記の申請に至るまでの準備ができているのかが不明確なことがほとんどです

以下は相続手続きを前提に記しますが 相対取引でも同じ問題がありますが割愛します

さて相続手続そのものを初めから着手していないのか それとも実体上の手続きは完了し 権利関係が確定しており 残すは登記を申請するだけの事案なのか 状況が違うことが 大いにしております

上記のとおり 登記の申請の代理の依頼ということはわかりますが それ以外に書面の起案・利害関係人との連絡業務等 事務所によって変わると思いますが 費用報酬について 総額数万円から数百万円くらいまでの 開きが生じることもあります 故に単に電話だけの一言目の「いくらですか?」と聞かれても答えられないのです

もう少し具体的な事案を記すと 例えば

  • 被相続人が遺された遺産の総額が高額で 相続税の課税対象の方は死去の日から10カ月以内に申告をしなくてはならない以上 迅速に対応する必要があるかもしれません
  • 相続人の中に未成年者が存在する
  • 遺言が存在しているのかいないのか 遺言が存在するにしても遺言のとおりことをすすめるのか
  • 遺産の分割をするにしても 協議は調うのかどうか 調うにしても 書面をどう作成するのか
  • そもそも相続人は確定しているのか

などこれだけでも 単純に不動産の名義変更をしたいという問い合わせの一言から どう想像して 金額を申し上げるべきか 判断しかねるというものです

まずは相談を申し込まれてから どう進めるのかを方針を定めるべきと考えます

 

相続手続の相談を承ります
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相続と会社役員のこと

こんにちは

昨今 とある芸能人が亡くなられて 相続 そして 会社役員の問題が取り沙汰されています

このことはこのことでとても残念なことなのですが ここから多くのことを学べるように思われます

上記のことに限らず 現実に起きてしまっているよくある事案ですが 開催されたことの事実が存在しない株主総会議事録が存在していることが 多いにしてあります

そんなことなるのですか? と一般の方は思われるかもしれませんが 存在します ただ誰も困ることがないので 素通りして事が終わってしまうことがほとんどです

ところが 相続が発生し 一部の相続人の権利を無視して 勝手に書類ができあがり 勝手に代表者になっていることが存在します

事後的に発覚することがあるのですが 無視された一部の相続人が事前にこのことを察知できるかと言われれば 難しいのかもしれません 会社法人登記の不正登記防止の申出という制度はあるにはありますが 利害関係人であることの証明を法務局の登記官にどのようにすれば良いのか 悩ましいです

事後救済であれば 報道にもあったように 仮の地位を定める仮処分の申し立てをして 勝手に就任している代表者の権限を仮にでもその地位としての業務執行を止めなくてはなりません その上で総会不存在の確認の申し立てを行い、総会がなかったこと、そして無効となった決議に基づいて就任した代表者も無権利者となります その上で再度、株主総会の決議、取締役の就任、代表者の選定、就任をすべきと考えます。

なお会社によって機関構成は異なりますので 上記の文章は多少割愛した部分もありますが どのような会社でも概ねすべきことは同じと考えていただいて構いません

司法書士 大山 真 事務所
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