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会社・法人・企業法務

会社への現物出資

こんにちは、今回は、会社への出資の方法の一つである、現物出資のことを記します。

最近は、相続のことをいろいろ書くことが多いのですが、たまには、会社・法人のことも記してみようと憶い、タイピングしております。少し前までは、筆を執ってという言葉だったのかもしれませんが 時代は変わったものです。

会社成立前後の現物出資について

唐突かもしれませんが、現物出資について、会社が成立前であれば、発起人のみが現物出資をすることができ、会社成立後であれば、募集事項の決定にあるので、その決定機関の認否によってできるのか、できないのかが決まってきます。

株主権経営者(取締役)若しくは発起人が、現物出資という発想を良くお持ちであるようです。ただ注意すべきこととして、会社法は、株主(いわゆる持ち主)を主体として記してあることが多いのですが、債権者、行政(租税)も、実は関心を持っています。

財産の価格によって、手続きは簡易ですが

確かに、現物出資の総額が金500万円以内(成立後であれば、引受人に割り当てる株式の総数が発行済み株式の総数の10分の1を越えない場合も含む)ならば、裁判所等の第三者が関与すること無く、手続は淡々と進めることができるかもしれません。

ただ現物出資と言っても出資をするわけですから、その現物の価格を考慮しなければなりません。少なく見積もると、株主にとっては不都合は、一見ない様に思えます。債権者に対しても、責任財産が増すわけですから、問題ない様に思えます。

財産の移転は、行政も見ている

では、租税を扱う行政は、どのように考えるのでしょうか。個別具体的なことは差し控えますが、時価よりも低く出資額を設定した場合、言わば時価よりも安く会社は、現物を手に入れられたので、法人税の課税の対象になるかもしれません。反対に、時価よりも、高く出資額を設定した場合、程度によりますが、出資者に対して譲渡所得税もしくは贈与税の課税の可能性が無いとは言い切れません。そもそも募集にかかる責任が発生することも考えられます。

そうすると、現物そのものの価格についての評価が重要になると考えます

一見、便利そうに見える現物出資による増資ですが、今一度、立ち止まって考えてみると、難しい問題があります。

募集株式の発行(新株発行)の手続の概要は、当事務所Webページもご参照ください。

※2022年4月11日、内容・タイトルを加筆、修正しました。

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司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

夜桜と月
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過料と科料について

こんにちは

ふと思い出したことを記してみたいと思います

「(商業・法人)登記申請を怠ると、罰金がくるんでしょ?!」とお客様から聞かれたことがあります

本題に入る前に、登記制度において、過料の制裁は、登記することが義務である場合で、その申請することを怠った場合に受ける可能性があります。上記に取り上げた、会社・法人登記、それから不動産の表示に関する登記は、登記することが義務であるので、登記していないと、過料の制裁を受ける可能性があるのです。

さて、この過料ですが、過ち料(あやまちりょう)と呼ばれ、「科料(とがりょう)」では、ありません。いわゆる行政上の秩序罰で、刑罰ではないので、過料の制裁を受けたとしても、犯罪経歴に記載されるわけではありません。一方、「科料、罰金」は、刑事罰であるので、犯罪経歴に記載されることとなります

そこで、冒頭で記した問いですが、確かに、国家に「金銭を払わなければならない義務」は同じですが、根拠が違いますし、刑事罰を負って、犯罪経歴があるのかどうかという点では大きく異なりますね。

もっとも、刑事上の罪に問われることもなければ罰を受けるわけでもないから、やはり登記はほぉっておいて良い、ということにはなりません。特に商業・法人登記について、計算式は、ここでは記しませんが、登記申請することを懈怠(けたい:怠っていること)している事実が長期になりまた登記申請義務の事由が増加すると、科料の制裁を受ける請求額も高額となります。

やはり登記申請は、登記事項の変更が生じたら、直ぐにその旨の申請をすべきですね

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企業法務に関するページを再構築、更新をしています

こんにちは

事務所ホームページの企業法務に関するページを再構築、更新をしています。

特に、会社・法人の解散・清算手続に関するページを新たに設けました。会社・法人の解散・清算手続は、あまり前向きな印象をお持ちではないかもしれませんが、やはり大事なことであるので、特別に設けました。

もし、事業承継のことも含めて、対策した方が良いのか、迷われていらっしゃるのであれば、相談されることをお勧めします。

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以下、当事務所の企業法務に関するページのリンクです。ご参照下さい。

司法書士 大山 真 事務所・企業法務・会社設立・商業法人登記のご案内

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企業法務関連のページを随時更新します

こんにちは

今まで、企業法務のページですが、これまで単一ページでしたが、分野ごとにページを再構成しています

各ページも随時更新しています

再構成に併せ 単に登記のことだけではなく 実体上の留意点も記していきますので ご参照頂ければと思います。

世代交代に伴う役員の変更についての相談を承ります
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株主にはどのような権利があるのでしょうか(その3)

こんにちは 7月に入り 昨日はうるう秒がありましたが いかがお過ごしでしょうか?さて今回は 株主総会の招集について記しています。

今回は、判例で認められている事案を見て行きたいと思います

一つ目は、招集通知は無かったが「株主が全員が同意して出席した」場合は、株主総会として成立します。もっとも括弧書きの中に記した様に、株主の「全員が同意して出席」していなければなりません。

二つ目は、いわゆる一人会社(取締役及び株主が同一人物である会社)は、その株主が出席すれば、招集の手続が無くても、株主総会は成立します。

単に定足数を満たして集まって話し合えばよいだけのように もしかしたら思われるかもしれませんが、全員の株主に総会を開催することを招集を知らしめなければなりません。

しかしながら、一つ目の「株主の全員が同意し、出席した」とすると、確かに招集の方法に問題があるかもしれませんが、一部の株主に対する不利益が生じることは考えられません。二つ目の一人会社の場合は、唯一の株主であり唯一の取締役であるので、株主総会の招集手続の形式が調っていなかったところで、株主は一人であり、他の株主の存在はあり得ないことであるので、問題となることはありません。

前回の投稿から、株主総会の招集に関することを記していますが、株主総会を招集することができる者(招集権者)や招集権者が権利を行使するための取締役会の決議または取締役の過半数の一致は、株主総会を招集する重要な権限を持っていると過言ではありません。そして招集するに至る適切な手段が伴っていなければ、総会として適法に成立しているとは言えず、たとえ何かを話しあったとしても、総会が無効である以上、その話し合いは、単に一部の株主同士で話し合った程度のものとしか取り扱うことしかできません。

もしも、招集権者が不存在となってしまった場合の総会を開催する方法については、次回の投稿で記したいと思います。

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