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株式会社設立方法の検討

今回は、株式会社設立方法を検討していきます。内容は、前回、「設立時に「株式の譲渡性の有無」の検討」の投稿の続きと捉えていただいて、問題ありません。

先の投稿で見たように、株式の譲渡制限の問題もありますが、出資の規模と、この段階から資金調達を積極的に行うなら、発起人を複数にして設立されても良いと一応考えられます。

定款の作成段階では関与しない出資者が存在する場合

 では、出資するけども、定款の作成の関与は難しい方にも出資を募った場合、出資したい方が存在するかもしれません。

 そこで、発起設立とは別に、設立時発行株式を引き受けてくれる方を募集する方法、即ち募集設立があります。

 発起人として関与はしないが、会社設立の詰めの作業に入る際に、創立総会という会議を開催しなければなりません。この会議は、発起人だけでなく、設立時募集株式引受人も参加できます。この総会では、認証を受けた定款の変更の決議もできます。

創立総会の権限

 なお念のために記します。後ろ向きな表現かもしれませんが、この創立総会で、なんと設立廃止まで決議することができる大きな力を持っています。

まとめ

  1. 発起人の員数:一人からでも可
  2. 資本の規模を設立段階で大きくしたい、資金調達を重視した場合:発起人を複数とする、設立時募集株式引受人を募る(この場合、発起設立ではなく、募集設立となる)
  3. 会社成立段階では、株主を限定的にして、成立後、事業拡大とともに、段階的に株式の譲渡制限を廃止する場合:設立時は株式の譲渡制限を設け、成立し事業拡大後、株式の譲渡制限を撤廃する

会社設立手続きも、実情に合わせる

 いろいろと記しました。これまで個人事業をされてきた方にも融資先や出資先の力関係もあるので、多くの外的因子があるかもしれません。ただ会社法を上手に用いると、業務執行が円滑になる場合が考えられます。

 ぜひ御一考くだされば幸いです。

 なお、個々の具体的事案については、相談を受けてみないと詳細なことが分からないので、お電話での相談予約を受け付けています

TEL:047-446-3357 司法書士 大山 真 事務所

ピンクのハナミズキ(英語では dogwood )です

上記は旧ブログ「時報」の2008年9月17日投稿「会社設立 その2 株式の譲渡性(2)」を上記のとおり改題し、2022年4月20日に、移植しました。

回想

今日において、株式の譲渡による取得の制限規定は、株式会社の運営実務においては、必要不可欠といっても良いくらいの定款の相対的記載事項と言えます。ただ昭和の時代から存続している歴史ある会社は、そもそも商法にそのような規定が存在していなかった時代もあり、今日でも存在していないこともしばしばあります。

先の投稿でも記したと思いますが、発起人が7人必要だった時代、もちろん名義に連ねている発起人全員が、会社成立直後は全員株主となったわけですが、その後の会社経営者や名義上存在している株主の相続が開始すると、その相続手続が煩雑であることも、問題視されるようになり、株式の譲渡制限、相続対象の株式の売渡請求などの会社法によって、一定の整備が図られました。

2つの株式会社設立の方法

話を元に戻しますが、株式会社の設立手続きには、大きく分けて、「発起設立」と「募集設立」の二つの手段があります。どのような手段で以って設立するかは、個々の事案によりますが、会社設立時の資金調達という性格もあります。経営者自身の出資する事案が大多数ですが、下請け会社を設立するにあたり、親会社から出資を受けることもあり得ます。そんなときに、募集設立が有効であろうと考えます。

なお、株式会社の設立の概要は、当事務所Webサイトでも、紹介しております。ぜひご覧ください。

司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

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会社 設立 その1 発起人

 事業をしたい。今まで、個人で事業を経営してきたが、会社として事業を拡大したい。そんな気持ちをかなえるため。これから、会社設立の手続をかいつまんで、記していきたいと思います。

 Point 1  発起人となる人

 法律上は、会社の根本規則となる「定款」に記名・押印をすべき者のことです。また成立後は、株主となります。

 事業を今までしてきて、会社を立ち上げたいので、設立手続に関与したい方が発起人となるべきでしょう。

 発起人は、大昔は7人いなければならない時代もありましたが、今は1人からでも問題はありません。但し、出資の規模を考えた場合、一人では、限界がある場合があります。なぜなら、これから取り組もうとしている事業の規模により、出資する財産が決まるからです。

 またやたらむやみに、発起人として引き受けてもらうのも、問題が生じる可能性もあります。発起人は最低限1株以上、設立段階から会社の株式を引き受けなければならないからです。また定款の作成に全面的に関わるからです。

 次回は、定款の作成の記載事項について触れたいと思います。


上記の内容は、旧ブログ「時報」の記事でした。2022年4月15日にこちらのブログに移植しました。

回想

ブログ記事に合う内容、やはり会社設立のことが、みなさん関心をお持ちだろうと思い、記事にしていこうと思い立ったものです。

ずいぶん前の商法の時代

今となっては、上記の員数、資本金が最低金1,000万円の規定は、全く存在せず、「資本金の額は、気軽に設定できる。」という錯覚を持ってしまう様な、話になってしまうと感じます。

発起人の定義は今も変わらない

さて話が少し外れましたが、会社設立には必ず、発起人の存在が必要不可欠です。発起人の定義は、当時と変わってはいません。

発起人以外で株主となりうる別の存在

制度としては、残ってはいるのですけど、定款認証後の出資者を迎え入れるのであれば、「募集設立」という手段も残されてはいます。

株式会社以外の会社では

株式会社以外の会社設立について、発起人の存在はありますが、責任が有限なのか無限なのか、業務執行をするのかしないのかが大きな違いがあり、ここの発起人が成立後どう振る舞うのかによって、会社の構成員としての社員の性格が異なってきます。

会社・法人設立についての概要を、当事務所Webページでも触れいています。併せてご覧ください。

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当時撮影したマツバボタンです