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合同会社の登記事項(動画)

おはようございます

合同会社の設立登記新生児の登記事項の解説動画を公開しました。
少し込み入ったことを話しをしていますが 合同会社の設立後どのような事項が 公示の対象となるのかという観点でご覧になってみても良いと思います

合同会社の登記事項
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会社と言っても 幾つか種類があります

こんにちは

さて会社 会社と とりあえずつくりたいからと仰って 事務所に来られる方が まれにいらっしゃいます

その会社ですが 幾つかのメニューがあります

まずは典型的なのが「株式会社」です
株式会社は、所有と経営が法令上分かれていることが大きなポイントです 株式会社と付いた名称をよく見かけることも多いと思いますが この所有と経営が分化していること それから 随分昔の話ですが 最低資本金制度がまだ存在していた当時 有限会社は300万円 株式会社は1,000万円を出資する必要がある反面 出資した金員が資本金として登記されるため 事業に対する姿勢がその会社の財政面から登記上すぐに知ることができ より信用度が増すと考えられていましたので 人的会社(現行会社法では持分会社に似ていますが 少し解釈が違っています)よりも有限会社 有限会社よりも株式会社の方が 世間から信用されるというメリットもあった様です
今日において 最低資本金制度も廃止され 上場企業から個人事業から法人なりしたばかりの株式会社でも 会社法上は同じ「株式会社」として扱われます

次に 株式会社以外の会社の位置づけにある会社として 合名会社、合資会社、合同会社という3つの会社があります この3つの会社のことを「持分会社」と総称して呼ぶこともあります
株式会社との大きな違いは 所有と経営が法令上分かれていないことが上げられます 例えば合名会社や合資会社の無限責任社員(従業員ではありません。)は 会社の責任については 無限に連帯して責任を負わなければならないのですが 無限責任社員が出資した金額等は登記事項とはなってはおりません
無限責任社員は、言わば役員であり社員であることはいうまでもありませんが 会社に対して保証人でもあるような存在でもあります
一方 有限責任社員という存在も持分会社には存在します その名のとおり 社員としては有限であるという意味です もう少し具体的に記すと 出資した以上に社員としての責任を負う必要はなく 会社が多額の負債を抱えても 会社に対して投下した資本以上に会社の債権者に対して責任を負う必要はないのです
有限責任社員と無限責任社員の責任を負う意味で 記しましたが もちろん責任を負う以上 会社の経営方針等に関わる議決権は 有限責任社員より無限責任社員の方が有利ですし 同じ有限責任社員同士ならば より出資した社員の方が議決権が多いという扱いとなります

株式会社 持分会社として合名会社、合資会社、合同会社の4つを紹介しましたが 設立の方法の大きく分けて2つに分かれます そして費用面についても差があります

昨今においては 税と社会保障の関係からある意味 会社組織であれば 社会保障面では充実したものとなるように発展させていかなくてはならない面がありますが  事業規模も大きくなることが想定されていますし 単に税務上の利点だけのために法人成りということを考えずに 設立後のあり方をイメージしながら計画を策定していただきたいと思います。

会社設立に関する相談を承ります
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

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個人事業主と会社・法人の違い

こんにちは

今回は 個人事業主と会社・法人の違いについて 記してみたいと思います

正直なところ 各士業の先生にも 得意分野があり

法律を得意とする 弁護士・司法書士の先生方は 個人に取り巻く法律と会社・法人に取り巻く法律 の違いから 説明がなされることが多いです

一方 税理士・公認会計士(昔は計理士という言葉があったようです)の会計系の先生方は 実体法上のことよりも税務のことに関心が行く様ですし またクライアントも そのことに関心を強く寄せている傾向がある様です

当事務所は司法書士事務所ですので やはり法律という観点から 見ていきたいと思います

個人では資金を集めることには 限界がありますし 容易ではないと言われています
そこで 株式を発行することで資金を調達し より大きい事業を手がけることができる
それから事業の業務執行を掌るキーマンが複数いらっしゃる場合 法律上の効果帰属はどのようになるのか 実は複雑化するため 会社・法人にすることで法律関係がより簡潔になるという利点もあります

ただ 大きな意味で事業に出資をしている投資家 会社の業務執行を掌る取締役や役員の関与が必要となります このことが個人事業主の場合は 一致しているのですが 会社・法人では 一応 法律上 分かれています

事業がある一定規模に留まるのであれば 個人事業でも問題はないと言えますし より大きな公共事業の入札に参加するために 財務強化の一環として 法人化することも方法として 考えることもできます

もっとも 安易に法人化して 税務と社会保障の取り組み方が 個人事業主とくらべると 大きく変更を強いられることがありますので 留意が必要です

以前にも 記しましたが 法人化して何をしたいのか そしてその負担は 如何程か よくよく お考えになった上で 実行されることをお勧めします

司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

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会社設立について

今回は、今まで記してきました分野ですが、途中であった会社法の設立のことを記したいと思います。
 会社設立 その2 株式の譲渡性(1)(本ブログにて改題)でも記しましたが、会社の規模によって、株式の譲渡制限が必要かどうかを検討する必要があります。
 株主たるもの、会社の事業については関心をもっており、決算期には、株主総会の承認がなければ、その事業年度における、決算は確定はしません。
 その株主について、会社から見た場合、譲渡がされたことによって、あずかり知らぬ者が、株主となって、会社運営が阻害される恐れもあるため、規模が大きくない会社であれば、大抵譲渡制限をつけます。
 しかしながら、譲渡をすることに対して、会社の承認を要するため、譲渡性が事実上、失われることになります。
 その反面、言わば、会社の内部統制は、言わば、気心しれた者だけに限られるので、簡素化することができます。取締役と株主総会のみの機関だけで会社を構成させることができます。

鎌倉の某お寺のお庭です

上記記事は、旧ブログ「時報」より、2022年5月16日に、本ブログに移植しました。なお、他の記事と内容が重複することがございますが、記されていることは重要なことであるので、記事そのものを削除せず、そのまま記しました。

回想

実務で、既存の株式会社さんを対応すると、譲渡制限がついていない、現行会社法で言う「公開会社」さんからの依頼が多かったように思います。それほど、白井市では、誤解を恐れずに記すと、歴史ある会社の方が多いという印象を持ちます。

経費がかかるだけでメリットがない心境

また今となって振り返ると、同業者同士の会話や研修で話があった新しい制度に導入する話をしても、結局は定款変更と変更登記申請にお金がかかると言われ、結局提案しても仕事が発生するどころか、倦厭されてしまうように感じられもしました。

株式の譲渡にかかる租税公課も含めた経費の観点から

それから、株主全員が家族である場合は、譲渡という問題が、ほぼ発生することはほぼないです。しかしながら、いざ家族間の株式の譲渡にしても、株券発行会社であるため、あくまでも法令に照らし租税公課も含めた経費を考えてみると、いたずらに定款変更、株式の譲渡制限の設定、株券不発行会社(現行会社では、こちらが原則)への変更登記申請を行うより、株券を発行し、印紙税を収め、株式を譲渡し、株券不所持の申し出をすることによって株券を世間に流失をさせない手続きの方が、経費が抑えられることも考えられます。

どうしてもあるべき姿に当てはめる同業者もいらしゃるようですが、依頼者は、何を本当に求めているのか、しっかり見極めないといけないと感じます。

会社・法人向けの業務の概要は、事務所公式Webページでも紹介しております。ぜひご参照ください。

司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357

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会社設立 出資の手段(5)

遅くなりました、前投稿からの続きですが、「会社設立 出資の手段(5)」として記します。

(前号の続きより) こうして、定款に記された変態設立事項について、原則裁判所に検査役を申し立てて、調査をしてもらわなければならないのですが、一定の場合に、その検査役の調査が不要であるというのが以前、「会社設立 出資の手段(2)」に記したことです。

 会社を立ち上げたいけれど、元入れの資金についてどうすべきか、金銭出資が一番スムーズだが、今現在個人で事業をしているが今後法人なりしたときに、機械工具備品も会社事業で生かしたいと、悩んでいらっしゃる方は、ぜひ参考にしていただけましたら、幸いです。

次回以降で、会社設立手続の続きを記したいと思います。

珍しい形のトマトが手に入ったので撮影しました

当時の内容を加筆修正して、旧ブログ「時報」より、2022年4月27日に、移植しました。

補足

以前の投稿にも出てきた変態設立事項ですが、現物出資のこと、財産引き受けのことは、先の投稿で見てきましたが、残りの二つを解説します。実務では、中小規模の会社の設立ではまず定款に記載しない事項と言えますが、法令に記載されていることなので、念のため触れます。

再度、会社法第28条を確認

会社法第28条第1項第3号および第4号を確認します。まず第3号です

発起人の報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086_20210301_501AC0000000070&keyword=会社法#Mp-At_28
より抜粋

とあります。先の投稿にも、記しましたが、発起人は、会社が成立すると、株主となります。しかし、当然には役員となるわけではありません。発起人が一人、設立時取締役も同一人物で一人であるならば、最低限の記載事項のみで、設立手続きに挑むことはよくあります。

複数の発起人がいる場合は特に留意

発起人が複数いて、設立前から緊張した関係があり、第3号のような事項を定めた場合、会社が成立した途端、会社は、その元発起人たる株主に対して、債務を追うこととなります。しかも定款作成時に発起人らが決めているので、いわばお手盛りに近いことが、設立過程で行われ、会社として事業を開始するや否や財産が減少し、会社に対する債権者らへの責任財産が確保できないこととなります。故に、手続きを慎重に行う必要があるため、検査役の調査が必要になるのです。

第4号について

続けて第4号をみてみましょう。

株式会社の負担する設立に関する費用(定款の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086_20210301_501AC0000000070&keyword=会社法#Mp-At_28

より抜粋

とあり、会社の設立段階では、発起人らが民法上の組合に準じて、設立に関する費用を立て替えていることとなります。そう考えると、成立後、会社は、費用を立て替えた発起人にその立替金を支払わなければならない義務を負います。そうすると第3号の場合と似たようなことが考えられ、原則検査薬の調査が必要ということになります。

どの会社設立でも想定される設立費用は、検査役の調査は不要

もっとも会社設立時に、当然に発生する費用である「定款の作成認証手数料」、登記申請手続に必要となる「登録免許税の納付」「『代理による申請』で対応した司法書士報酬等」は、大方、見積もれますので、カッコ書きで除かれています。それ以外にかかる設立費用の負担で問題になったことはないことはないですが、いずれにしても、成立後、立ち往生をしないようにしたいものです。

回想

当時、このブログ記事は、文面が短く、また投稿の間隔も長かったと、見返して感じました。当時は、資格試験受験予備校講師業も兼業していたため、準備に追われ、なかなか記せなかったような気がします。設立するための要件が、会社法になって、随分緩和されたという印象を持ちました。私が、司法書士試験受験生だった頃は、会社法という文言は、聞こえてくることはありましたが、法令の公布、施行前に、試験に合格しました。そして資格試験受験予備校で、教鞭をとることとなったわけですが、やはり勉強をし直すような感じで取り組んでいたことをよく覚えています。

株式会社の設立について、当事務所ブログでも概要を示しています。ぜひ、ご覧ください。

司法書士 大山 真 事務所
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