こんばんは
前回は、遺留分減殺ができる人や、遺留分の帰属・割合、遺留分減殺請求の算定の基礎について記しました
今回はその続きを記していきたいと思います
では早速
遺留分侵害額の請求
を解説していきたいと思います
条文では、以下のようになっています。
(遺留分侵害額の請求)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089#Mp-At_1046
第千四十六条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
2 遺留分侵害額は、第千四十二条の規定による遺留分から第一号及び第二号に掲げる額を控除し、これに第三号に掲げる額を加算して算定する。
一 遺留分権利者が受けた遺贈又は第九百三条第一項に規定する贈与の価額
二 第九百条から第九百二条まで、第九百三条及び第九百四条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額
三 被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第八百九十九条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第三項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額
第一項を見てみると、遺留分権利者および遺留分権利者の承継人が、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができる。とあります。今回の改正によって大きく変わったところでもあります。
第二項は、侵害額の計算を言っています。遺留分権利者が主張する遺留分から遺留分権利者その人が遺贈又は特別受益に該当する遺産の価額ならびに法定相続分、代襲相続があった場合のその代襲相続人の法定相続分、遺言による相続分の指定された相続分に応じて取得する遺産の価額を控除し、被相続人が相続開始時までに負っていた債務のうち法定相続分に応じて遺留分権利者が承継して負う債務の額を加算して算定する。
となっています。多少わかりづらいかもしれませんが、遺留分権利者にしても遺贈や生前贈与等による特別受益に該当する財産を取得しているかもしれませんし、法定相続分に基づいて財産を取得しているかもしれませんし、遺言に基づいて指定された相続分に対応する遺産の価額を取得していることもあるかもしれません。故に相続により取得した財産については、その遺留分から控除し、一方で、承継する債務の額は、加算することによって、他の共同相続人との不公平な差を埋め合わせる様にしています。
第二項はややわかりづらいかもしれませんが、具体的なことを記すと、遺贈によって、遺留分の全部について侵害しているケースがほとんどだろうと思います
もちろん 調査を粘り強くしていけば 生前に贈与された不動産も遺品から手がかりが見つかるかもしれません。
次回は、実際に遺留分減殺請求をした際に受遺者と受贈者との負担のことを記したいと思います。