※初稿は、2015年8月20日 午前11時47分に、公開しましたが、サーバー移行に伴い、加筆修正を加えました(2021年12月23日)
こんにちは
まず、以前取り上げた記事について、参照します。よろしければご覧になってみてください。
今回は 先日でも取り上げた自筆証書遺言の要件の一つである 「自筆」に着目して記してみたいと思います
「自筆」、「自書」することを言います。もっとくだけた表現をすると、「ご自身の手で書き記すこと」を意味します。ワープロや音声、映像で法律上の効力のある遺言を遺すことにはなりません。遺言は要式行為と呼ばれ、法律上認められるには、法律に記された要式を調えなければならないのです。
ご自身で記さなければならないので、やはり元気なときに記せば、「自書する」要件は簡単にクリアします。
では、手が震えて、上手く書き記すことができない場合、なかなか難しい問題があります。誰かに手を添えてもらい補助を受けて遺した場合、「遺言者が自書能力を有し、遺言者が他人の支えを借りただけであり、かつ、他人の意思が介入した形跡がない場合に限り、自書の要件を満たすものとして有効…。」と最高裁の判例があります。
あくまでも私見ですが、上記のようなケースとして考えられるのは、介助者が推定相続人であった場合、その介助者が広義に実質的に遺贈を受けず、プラス財産について相続することがない場合は、介助者自らは不利益とは言わないまでも、不当な利益を受けることは通常考えられないと思われます。
次回は、もう一つの要件である日付について、記したいと思います
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