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事務所より

問い合わせ(2)

こんばんは、今回は、事業者様からの問い合わせの対応について記します。

直接ご依頼をご検討されている事業者様へ

まず、登記関係、裁判事務関係で直接当事者でいらっしゃる事業者様からの問い合わせは、誠心誠意を以って対応いたします。

いわゆる紹介事業者からの問い合わせ

残念なことですが、他者からの斡旋を受け、当事者に対し、本人確認もすることもなく、事務を取り計らうことはできかねます。

紹介事業者だと言わない事業者が存在する

特に、最近は、具体的な社名はここでは控えますが、電話をしてきた担当者が、あたかも当事者であるかのように言葉を切り出し、具体的に話を進めるために、来所の予約のご案内をしようとすると、ようやく紹介事業者であること、紹介事業者と語ってはいませんが、事業者の従業員の福利厚生の一環として、先生の事務所を紹介してほしいとおっしゃる紹介事業者が少なからず存在します。

お願い

まず紹介事業者様にお願いですが、まずは、日本司法書士会連合会もしくは各司法書士会への問い合わせをお勧めいたします。

事業者様の紹介の趣旨が判然としませんが、もしお持ちになっている理念が、司法書士制度と合致しており、司法書士という存在を社会に広めていきたいという大きな理念をお持ちであるならば、ぜひ組織へ問い合わせをお願いします。

日本司法書士会連合会のホームページ
https://www.shiho-shoshi.or.jp

千葉司法書士会のホームページ
https://chiba.shihoshoshikai.or.jp

そもそも論として

そもそも、なぜ斡旋に対し対価を支払う義務が生じる形の紹介を受けられないのか?

それは、「不当誘致」につながるからです。不当誘致によって事件を受託し、その執務において、公正を保つことができなくなるからです。このことは何も不動産取引の当事者のみならず、当事者と私たち司法書士との間で交わす委任契約(とくに報酬)にも影響を及ぼします。

故に、紹介事業者からの紹介事案は、一切対応してはおりません。

商売のあり方の再考を

 事業者様にとって、商売の仕組みとして成立の足枷となるかもしれませんが、それが現実です。実際に登記について困っている方がいたとしても、紹介事業者様が対応できることは、日本司法書士会連合会もしくは各司法書士会等の組織を紹介することができるくらいであり、一事務所への金員等の対価を求める形での紹介は、司法書士法等の法令規則によって対応することができないことを申し添えます。

徐々にですが紅葉が進んでいます。
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任意後見 民事信託・遺言・後見・相続 法教育 高齢者権利擁護

身元保証と利益相反

今回は、成年後見における身元保証と利益相反のことを記そうと思います。

唐突な題目ですが、想定される事象は、成年後見人と被後見人の関係を主に見ていきます。このことは会社と代表者との関係でも問題視されるかもしれません。

身元保証について

まず、身元保証ですが、病院への入院、高齢者の福祉施設への利用にあたり、身元保証人または身元引受人という名称でもって、親族であれば、医療機関や施設から就任して欲しいと要請があると思います。

この身元保証ですが、もう少し丁寧に考えると、いわば、主たる債務者の身に万が一なことがあったときに、金銭的な保証をして欲しいこと、身元を引き受けることを医療機関もしくは施設に対して保証するための契約の一つと考えることができます。

民法上の保証契約は、まさに書面で以って契約を行うわけですが、その際に、具体的な損害額がもちろん確定はしていませんが、まさか青天井に請求できるとなると酷な話でもあるので、極度額が設定され、限定的な根保証契約を締結することとなります。よく見てみると医療機関や施設へ、主たる債務者の債務や身元の引き取りを行う債務を保証する契約であり、主たる債務者は保証契約においては、当事者ではありません。

保証委託契約について

では、主たる債務者が、医療機関や施設から、身元保証人をお願いしてもらってくださいを言われ、親族等が、保証人となる事象もあるのですが、このときの主たる債務者本人とその身元保証人となる親族の関係は、保証委託契約と考えることができます。

この保証委託契約と先の保証契約の当事者の関係は、明確にしていただきたいと思います。

利益が相反するとは

先の記事で何度か触れています。参考までにブログ内の記事を貼り付けましたので、参考になさってください。



さらに補足しますが、利益が相反する事象とは、具体例をあげると、子が未成年である場合、親子間での取引や相続手続における遺産分割協議において、子の親権者の地位である親御さんと生存配偶者としての相続人が同一人物であった場合、その親御さん一人で、全てが決めることができ、子にとって不利益が生じるかもしれない可能性が孕んでいる権利義務関係であることが言えます。この場合は、家庭裁判所から特別代理人を選任就任し、子の代わりに法律行為を対応することとなります。

付言しますが、会社と代表者間でイレギュラーな(例えば会社が所有していた不動産を代表者個人に売り渡す場合、取引内容いかんいよっては、会社が不利益を被る可能性のある)取引については利益相反となりますが、会社が継続反復して売上単価が固定化されている取引(小売業で代表者が、会社が設定したその商品を定価で購入する事例)は利益相反とはなりません。

身元保証と利益相反のこと

さて基本的な利益相反の事象を見てきたわけですが、身元保証と利益相反のことに注目したいと思います。

身元保証をした人物が、成年後見人等の法定代理人、任意後見契約によって受任者である任意後見人であるとき、以下のような利益が相反すると考えられています。

  1. 保証債務を履行したことにより本人、被後見人に対し求償権を請求することとなった場合
  2. 保証委託契約を任意後見契約発効前に取り付け、その後、任意後見契約が発効したのちに、身元保証委託契約に基づく保証料債権の発生とその債務に基づく弁済が無尽蔵に債権債務が作出される恐れが生じる場合

1については、結果的に債権譲渡があったことを作出することができ、事象によっては、元の債権者に対する弁済よりも高額に、求償債権として回収されてしまう可能性を孕んであります。2については、もはや本人の判断能力が低下している段階で、本人に代わって任意後見人が財産管理を担うわけですが、その反面、身元保証委託契約に基づく保証人である以上、もはや保証料という名目の請求権を無尽蔵に作り出し、本人に代わって任意後見人たる委託を受けた身元保証人が自ら弁済する形となり、本人に不利益が被る可能性が考えられます。

実務上職業後見人が身元保証できない事象

なお、成年後見の事件によっては、身元保証をしたことにより、保証債務の履行をしたが、結局求償権を行使しても回収できる見込みがない場合や、身元を引き受けたとしても、被後見人や任意後見人が付された本人が死去したのちの遺体の引き取りは元来、成年後見人、任意後見人の業務は終了しているはずで、法律上引き取る義務はありません。もっとも実務上は、被後見人等に身寄りのない人であり、緊急避難としてご遺体を預かり、火葬まで対応され、相続人が見つかるまで、遺骨を預かるという事象もあるようです。相続人が見つからなければ、市区町村長が対応することとなります。

利益相反を回避する可能性(任意後見)

なお、私見ですが、任意後見契約である場合は、契約締結時、委任者の判断能力に問題がなく、任意後見人受任者と契約を締結する段階で、身元保証債務履行時に対応するための預託金の設定および任意後見契約が発効した後に、委任者に不利益が生じないよう、身元保証料その他名目いかんを問わず保証料を任意後見人は請求することができない旨の特約を付すことにより、民法代理の規定にある自己契約の禁止の規定に対しもはや債務の履行以外存在しないため、身元保証料債権を無尽蔵に作り出し回収する行為を契約条項上防止するそれなりの工夫が必要であると考えます。

紅葉の季節

生前贈与の相談を承ります。

業務の概要は、事務所公式Webページでも紹介しております。ご参照ください。

司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357
千葉県白井市冨士185番地の21

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9月に出会ったお花たち

こんにちは

たまには、装いを変えて 今月撮ったお花の写真を試験的に、この投稿で公開します。

時折、このような投稿も上げていこうと思います。

なお、業務に関する投稿をご覧になりたい場合、ぜひブログ内の検索機能をご活用ください。

司法書士 大山 真 事務所
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カメラ・写真のこと

先日 訪れた滝の写真を タイムラプスにしてみました

試験的に投稿しました

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竹木の枝の切除・根の切り取り(相隣関係)

こんにちは、今回は、「竹木の枝・根の切除のこと(相隣関係)」のことを取り上げます。質問がありましたし、少し前に改正もありましたので、テーマとして取り上げていきたいと思います。

早速、条文を確認してみましょう。引用元は、e-Govの法令検索の民法からです。

民法第233条「竹木の枝の切除・根の切り取り

現行(令和4年9月2日現在)は以下のとおりで、

第二百三十三条 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
2 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

e-Gov 法令検索 民法第233条(令和4年4月25日施行日)より

念のため、参照したURLを記します。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089_20220525_504AC0000000048&keyword=民法#Mp-At_233

とあります。

改正後の民法第233条

来年の令和5年4月1日から、民法233条は、以下のようになります。

第二百三十三条 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。

 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。

 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。

 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。

 急迫の事情があるとき。

 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

こちらも、念の為、引用元のページをURLを記します。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089_20230401_503AC0000000024&keyword=民法#Mp-At_233

となっています。

現時点では、旧来の取り扱いと同じですが、来年の令和5年4月1日以降では、同条第2,3項が追加されるため、留意が必要です。

改正後民法第233条第2項のこと

もっとも第2項のことは、竹木そのものの共有関係における枝の切除のことを記しています。もちろんこのことは、あくまで権原でもって生息している地から隣地へ越境してしまった枝に対して、他の共有者の同意承諾なしに、一部の共有者から切除して良いことが記されています。

改正後の民法第233条第3項のこと

では、3項を見ていきましょう。確かに第一項で、竹林の所有者に枝の切除を請求することができるとあります。そのことが前提なのですが、同項各号の場合であれば、隣地所有者が自ら枝の切除をすることができます。

竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。

この催告とは、「枝が土地の境界を越境し、こちらの敷地内に入り込んでいるため切除せよと書面等で請求すること」です。催告をし、切除するための相当な期間が経過したが、竹木所有者が当該枝を切除しなかった場合に、隣地所有者が自ら、枝を切除することができます。

竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。

前号の催告をしようにも居場所がわからない、そもそも竹木の所有者が知ることができないならば、催告どころか、第一項の請求もできないことが明白なため、隣地所有者は自ら、越境した竹木の枝の切除をすることができます。

急迫の事情があるとき。

催告から実行してもらうまでに、また請求しても対応してもらうまでに相当な時間を要し、実行されるまで待っていては、隣地所有者にとって損害が生じてしまうような場合、隣地所有者自ら、越境した竹木の枝の切除をすることができます。

費用負担は?

枝を切除することが、令和5年4月1日より、状況によって、隣地所有者自らができるようになったことはわかりました。

ところで大事な論点として、費用負担はどうなるのだろうと疑問があるにはあります。丁寧に見ていきましょう。

第一項が大前提 権利義務に関する規定

第一項が大前提の権利義務のことが記されています。

すなわち、「隣地所有者が、竹木の所有者に、(中略)請求することができる。」とあります。これが大前提です。

催告したが、枝と切除してくれず、隣地所有者が切除した場合

では、第三項第一号に至った場合は、生じた費用は、隣地所有者が立替て、竹木所有者に請求することとなると考えられます(民法第703条)。

急迫の事情により、隣地所有者が枝を切り取った場合

第三項第三号の急迫の事情があるときは、事実認定を考えると請求できるものと考えられなくもないですが、竹木所有者にとって、越境している竹木の枝の切除をする機会を設けてくれれば対処できたにも関わらず、その機会を奪うかのように、急迫な事情が生じることに乗じて、枝を切除されたとなると、あとは事実認定の問題といえ、厳密な費用の請求や切除したことによって生じた損害について、司法の判断を仰ぐ必要が生じる可能性があると思われます。

竹木所有者の住所不明、そもそも竹木所有者自体が不明の場合

第三項第二号ですが、そもそも 、所有者がどこに住んでいるのか、尋ね当たらず、むしろ所有者の存在すらわからない場合を意味しています。この場合、事実上、費用は、隣地所有者が負担することになるように思われます。もっともその後、請求権に基づいて、住所や、竹木所有者が確定できれば請求できる可能性がありうるのかもしれません。

越境してしまった根っこの切り取りのこと

確かに、ないわけではない問題です。条文上は、隣地所有者が、竹木所有者の承諾なしに、切り取ることができると読めます。

ただ、越境してきた根っこを切り取ってしまったことによって、その竹木が枯れてしまう話もあり得ます。お隣り同士という関係は、どちらかがその地から離れない限り継続するため、もしも気がついた場合は、双方話し合い、場合によっては造園業等の方からの助言を受けながら、お互いに協力して解決する必要があるように思われます。

終わりに

相隣関係という特別な事情を熟慮すると、先に記したように、当事者の一方がその地から離れるか、解決しない限り、関係は解消もしませんし、相隣関係の問題を放置すると、新たなる当事者とも問題は継続することも考えられます。

債務名義を取って対応することは、できなくはありません。民事執行による強制執行や間接強制の制度を利用することも考えられなくもありませんが、実務上、事実上、費用は債権者負担となることも多いにしてありえます。

もちろん、民法の規定により、双方の権利義務が明確となり、その上で民事訴訟・民事執行・民事保全の制度の存在があり、それは並行して、当事者同士によって話し合いで解決することが、もしかしたら、お互いに一番経費をかけずに、問題を解決できる可能性もあると、意識の片隅に置いた上で、問題解決に当たられることを切に願うものです。

長文をご覧になっていただきありがとうございました。

季節の花
季節の花

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