こんばんは、大型連休、いかがお過ごしでしょうか。今日は天気がよくありませんでした。以前撮ったものをタイムラプス動画に加工し、さらにYouTube動画を公開しました。
よろしければ、リンク先をご覧になってみてください。
この日は、楽しみました。撮影地に向かっている途中、写真のような虹?!、彩雲?!?を見ることができました。きれいですよね。
事務所の通常業務の概要は、事務所Webページもご覧くださいませ。
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357
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こんにちは、今回は、株式会社の定款の記載事項の「目的」のことを、記します。
なんと、2008年10月12日のブログより、「次回は、目的以下について…」、と記しているにもかかわらず、どうもその後の記事で扱っていないようでした。申し訳ございませんでした。当時、資格試験受験予備校の講師業を掛け持ちでしており、また実務でも 多忙を極めていたことをよく覚えています。では、本題に入りましょう。
実務では、この会社の「目的」の記載事項は、依頼者が意識している以上に、実は緊張します。会社法が施行され、目的の具体性までは求められることが無くなりましたので、法務局の対応に苦慮することは、ずいぶんなくなりました。当時は、ずいぶん気を使ったことを覚えています。
それでも、「明確性」の審査の要件はは、旧法から変わりません。事業の目的の記載事項が明確でなければ、登記申請は、受理されません。個別の事案はここでは触れませんが、この目的の記載について、場合によっては、対応に苦慮することも暫しあります。
会社法が施行され、定款自治がずいぶん広く認められるようになりましたが、会社法および他の法令に違反するような行為を事業とする記載は、認められていません。例えば、法務局への申請代理は、司法書士の職務に該当し、司法書士または司法書士方人もしくは司法書士法で認められた士業の先生以外は、振舞うことができませんので、定款に記載することができません。
もちろん公序良俗に違反する目的、個別具体的な事案を取り上げるのは難しく、先に挙げたように法令に違反する事項と重なりますが、強行規定に違反する目的も、もちろん記載することはできません。
実務では、これから取り組む事業について、詳しくじっくり聴くことになります。
過去に一度、「世の中のありとあらゆる物品」を自ら購入し輸出入するまたは他人様の所有物を国内外に出入れする。」と、あまりにも漠然としたこと仰り、調査に長期間の時間を要する事案だったと考え、それなりの見積金額を提出したところ、ご辞退されました。
思い返すと、その相談者は、自身は通関士の資格はもっているが業務はやらないとお聞きしましたが、商社のように振舞うのか、運輸業のように振舞うのか釈然としませんでした。両方なのかと問うても、本人は、「どちらでもない、とにかく、世の中のありとあらゆるものを日本の国内外に出し入れするんだ!」と、さらにおどろいたことに、「一つの箱に、自身で買い付けたものと他人様が買い付けたものを一緒くたにして、日本に出し入れするんだ。」と豪語していたことをよく覚えています。
そうすると会社の目的に適法性があるのか、どのような行為をこれから振る舞うのかを、もっと詳細に確認しなければいけませんし、「世の中のありとあらゆるものを」の文言に明確性があるのか、他人の所有物を輸出入することは運輸業であり、そもそも通関業の問題は発生しないのかと判然とせず、さらに本人は通関業務はしないと言っていたこともあり、混乱を極めた事案でした。
大手商社(上場企業)の定款を数社確認しましたが、会社単体の目的の記載事項は、物品名が羅列していましたが、それら物品の販売業としての記載がありましたが、「ありとあらゆるもの」という文言や運輸業のような記載はなかったものを記憶しています。結局、当時両方を都合よく振る舞える定款の記載をいまだに見たことがありません。
話がそれました。上記のようなやりとりが、過去に一回ありましたが、もちろんスムーズに進む事案もあります。一例ですが、行政庁の許認可申請届出が前提になっている場合、会社が成立後、当該行政庁に申請届出をしますので、当該目的の記載事項を調べます。この行政庁の許認可申請届出は、「行政手続の申請に対する処分」であるので、その審査基準は、大方公開されています。
いろいろ記しました。今回は、大昔に混乱を極めた事案も取り上げました。実務では、目的の記載事項は、最もと言っても良いくらい難しいものだと、ご認識いただければと思います
株式会社の設立手続きについて、当事務所Webページでも、紹介しています。ぜひご覧ください。
司法書士 大山 真 事務所
TEL: 047-446-3357
こんにちは、たまには、業務のこと、民法、不動産登記、会社法人のことから離れ、写真の投稿をしようかなと思い、春の花写真について記事を記しています。
この春も、新型コロナウィルス感染症の問題があり、なかなか思うように出かけられないと思われるかもしれませんが、騒がなければ、騒がしいところに出向かなければ、問題に巻き込まれることはまずありません。
むしろ散歩なら、ご高齢の方でも、ぜひ出かけてほしいと思ったりしています。
さて直近の「春の花写真」を見ていきましょう
それでは、八重桜と 御衣黄桜です。御衣黄桜の存在は、実は今シーズン初めて気が付きました。しかもtwitterでです。やはりtwitterの力は、すごいなぁと感じます。
SNSを通じて知ったことですが、御衣黄桜が咲き、花が赤くなって散ってしまう頃は、そろそろ春も終わり、初夏に入る季節なんだそうです。
遡って、やはりソメイヨシノでしょうか。
桜といえば、ソメイヨシノ というくらい なんだか普通名詞化されているような気がするのですが、私自身は、それほど愛着を持ってはいません。もちろんソメイヨシノに罪はないのですが、なぜかこの花を見ると聴衆が騒ぎ始めるので、落ち着いて写真が撮れないからです。本音を言うなら、間引いてしまって他の桜を植えてほしいを思ったりしています。きっと世話をするのは同じくらい手間がかかると思うのですが、この花が咲いているときだけ、騒いだり往来が異常に多くなったりしてどうしたものかと思ったりしています。
さて、さらに遡って、春がやってきたかなと感じる河津桜も好きです。
今シーズンは、河津桜を撮るつもりが、被写体が変更になることが多かったです。春の訪れを待っていたのでしょうか、メジロがやってきて、蜜を吸いにやってきてました。故に、河津桜を撮るつもりが、ついつい河津桜の蜜を吸いにきたメジロを撮ることに、被写体が変わってしまったことも多かったかなと思います。
時期的には河津桜から終わり、ソメイヨシノが始まるのを挟むように、梅が咲いていました。なかなか綺麗ですよね。
そういえば、都会の街路樹で、桃の花を見かけることがありませんね、そう考えると、桃の花を撮るために、遠征を考えなくてはいけないのかなと、ふと思いがよぎることもあります。
それから、ツツジは、まだこれからというところでしょうか。
この時期は、春の花写真でいっぱいになります。風が吹いたり、鑑賞者がいっぱいで思うように撮れなかったりといろいろあるわけですが、また来年も撮りにおいで、と花たちから慰められるように撮影地を後にします。あともう少し春の写真が撮れそうですが、初夏の新緑の写真もそろそろ撮っていきたいと思っています。
全ての写真について、無断での使用、転載を禁止します。
普段の業務は、当事務所Webページをご覧ください。
司法書士・写真家 大山 真
こんにちは、今回は、特別受益・寄与分の除斥期間のことを取り上げます。
早速条文をあたります。民法の規定です。E-Govから引用します。
(期間経過後の遺産の分割における相続分)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089_20230401_503AC0000000024&keyword=民法#Mp-At_904_3
第九百四条の三 前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
とあります。
さて、この規定、実は令和5年4月1日から施行される規定です。なので、このブログ記事の公開時点では、まだ効力は発生していません。
もっとも、改正により、取り扱いが大きく変わるため、注意喚起を含めて、本ブログ記事に搭載することにしました。
条文の冒頭に「前三条の規定は、」とあります。「前三条の規定」は、前回、前々回取り上げた、「特別受益」、「寄与分」のことです。その規定を時間が経過した場合どう取り扱うのかの規定です。
相続開始時から10年を経過すると、「特別受益、寄与分の主張ができなくなり、純粋な「法定相続分に基づく遺産の分割」を余儀無くされます。
但し書きにもあるように、全ての相続手続が、相続開始から10年経過したら、特別受益、寄与分の主張が認められなくなるわけではありません。
但し書きをよくみてみましょう。
まず、第一号です。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
E-Gov より
とあります。相続開始から協議がまとまらず、10年経過する前に、家庭裁判所に遺産分割調停等の請求をし、調停成立が相続開始から10年経過することもないわけではありません。
そのような事案で特別受益・寄与分の主張が認められないとなると相続人によっては、不合理な結果になります。この不合理を回避するため、10年の除斥期間は、考慮しないこととなります。
次に、第二号です。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
E-Govより
なかなか難しいですね。
相続開始時から10年経過6ヶ月前から満了までの期間で、家庭裁判所に遺産の分割を請求できない止むを得ない事由が相続人にあった場合、その止むを得ない事由が消滅し、除斥期間経過前に、「…止むを得ない事由があった相続人」は、家庭裁判所に遺産の分割の請求(申立)をした場合、この除斥期間は、考慮しないこととなります。
さて、前々回「特別受益」、前回「寄与分」をみてきました。施行後、相続開始から協議がまとまらず、10年を経過したら、「特別受益」「寄与分」の主張は認められず、あくまで法定相続分に基づく遺産の分割を行うこととなります。もっとも共同相続人間が円満であれば、結局実情に合わせ、協議により遺産の分割を成立させることを妨げるものではないと考えられます。
この規定が施行され、様々な相続がありますが、まだ何にも手続きをしていないのは論外ですが、相続開始からなるべき早めに手続きをされることを切に願っています。
ところで、既に開始している相続はどうなのでしょうか? このことも触れておきましょう。
附 則 (令和三年四月二八日法律第二四号)第3条に規定があります。E-Govから引用します。
第三条 新民法第九百四条の三.(一部省略).の規定は、施行日前に相続が開始した遺産の分割についても、適用する。この場合において、新民法第九百四条の三第一号中「相続開始の時から十年を経過する前」とあるのは「相続開始の時から十年を経過する時又は民法等の一部を改正する法律(令和三年法律第二十四号)の施行の時から五年を経過する時のいずれか遅い時まで」と、同条第二号中「十年の期間」とあるのは「十年の期間(相続開始の時から始まる十年の期間の満了後に民法等の一部を改正する法律の施行の時から始まる五年の期間が満了する場合にあっては、同法の施行の時から始まる五年の期間)」と.(一部省略).する。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089_20230401_503AC0000000024&keyword=民法#503AC0000000024-Sp-At_3
とあります。施行されると新法の規定が適用されます。
よく見てみると、その期間は、事実上優遇されることもありうると考えて良いと思います。
まず第一号の読み替えは、相続開始から10年経過する時、または、法律の施行の時から5年を経過する時の「いずれか遅い時まで」とあります。
続けて第二号の読み替えは、10年の期間に括弧書き「十年の期間の満了後に..(一部省略)..法律の施行の時から始まる五年の期間が満了する場合にあっては、同法の施行の時から始まる五年の期間」があります。
相続手続きの概要は、当事務所Webページでも、紹介しています。ご参照ください。
司法書士 大山 真 事務所
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こんにちは、今回は、「寄与分」のことを記します。
早速、条文を確認してみましょう。E-Govから引用します。
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089_20220401_430AC0000000059&keyword=民法#Mp-At_904_2
2 (省略)
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4 (省略)
さて、民法第904条の2第一項を見てみましょう。
冒頭に、共同相続人中に、
上記のリストにより、「被相続人の財産の維持又は増加について、特別の寄与した者」
が寄与分を主張できる相続人と言えます。
上記のリストに掲げられている行為により、被相続人の財産が維持されもしくは財産の増加に一躍をになったことと言えます。ただ、普通の寄与ではなく、「特別の寄与」とあります。この「特別の寄与」ですが、条文等に、具体例は明文化されてはいませんが、配偶者が上記のリストを実行したとしても、さほど認められないのは、実務のようです。もっとも生存配偶者は、法定相続分が、多く設定されていることも、理由の一つと考えられています。
次に、寄与分を考慮した相続分の計算について見てみます。
条文では、「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。」とあります。まず相続開始時の相続財産は、
みなし相続財産=
相続開始時の財産ー共同相続人の協議で定めたその者の寄与分
となります。こうしてみると、共同相続人間で協議をして控除する寄与分を決めることが、条文からわかると思います。
そして、寄与分を含めて相続分を受ける相続人は、
寄与分を含めた相続分=
「みなし相続財産から法定相続分に基づいて取得した相続分
+「寄与分」
となります。
では、具体例です。被相続人Aの相続開始時の財産が金5,000万円、相続人は、生存配偶者B、AとBの間の子C,Dがいる。Dは、Aの事業に対し労務の提供をし、共同相続人間で、協議した結果、Dの寄与分は金1,000万円とすることで、調った。
ではみなし相続財産を計算すると、
金5,000万円(相続開始時の財産)
ー金1,000万円(協議して調った寄与分)
=金4,000万円(みなし相続財産)
となります。そうすると、各相続人の相続分は、
Bが金2,000万円、Cが金1,000万円、
そしてDが金2,000万円(みなし相続財産から金1,000万円+寄与分金1,000万円)となります。
寄与分の決めからは、条文をみると、協議で決めるとあり、協議が調わない、協議をすることができないときは、寄与分を主張する相続人から、家庭裁判所に対し、寄与分を決める請求(申立)をすることができます。請求を受けた家庭裁判所は、「寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。」とあります。こうしてみると、家庭裁判所に請求する場合は、単に申立てだけすれば、主張したことが認められるわけではなく、上記にリストに上がっている事実が認められる証拠を提出していくことが必要だということがわかります。その上で、家庭裁判所が寄与分を定めることとなります。
協議によっても、家庭裁判所への請求によって定まるにしても、第904条の2第3項の規定にあるとおり、遺贈の価格を侵害してはいけないことが記されています。すなわち、
相続開始時の財産から遺贈の価格を控除して得られた残額が寄与分の上限、ということになります。
さて条文には、家庭裁判所への請求ですが、認知の問題がない遺産の分割の調停の申し立て、認知後の相続人からの遺産の分割に対する請求もあった時にすることができるとありますが、実務では、遺産の分割調停の申立てと寄与分の申立ては、別々の申立と考えられています。遺産分割調停の継続中に、相続人の一人から寄与分が主張されましたが、家庭裁判所から「寄与分は別で申立てください。」と案内があったようです。その上で、併合して調停を進めていくものと思われます。
さて、いかがだったでしょうか、次回は、改正民法によって、この「寄与分」と先の投稿で取り上げた「特別受益」について、どう影響があったのかを取り上げたいと思っています。
遺産の分割手続きについて、当事務所Webページでも紹介しております。ぜひ、ご参照ください。
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