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民事信託・遺言・後見・相続

ご自身らしく過ごすために(2)

こんにちは、先般のブログで、法定後見と任意後見の違いおよびライフプランの存在意義を記しました。
もしご覧になっていない方は、以下にリンクを記しましたので、ご参照ください。

さて、今回は、もう少し内容を掘り下げて、「ライフプラン」について記していきたいと思います。

書籍を見渡して気がつくこと

任意後見に関する書籍を見てみると、制度のこと、手続き利用の準備のこと、注意すべきこと、関連法例や、記載例等が、これでもかというくらい満載に記されています。

ライフプランは、二つの意味を含んでいる

その中に記されている「ライフプラン」のことですが、専門職が、ご本人にいろいろ聞いて、作成されるアンケート結果を「ライフプラン」と呼ぶこともあれば、その聴取した記録をもとに、文章を起案し、最終的に、ご本人様に読み聞かせ、記載された内容に間違いがなければ、書面末尾に署名押印をしてもらって、「ご本人様の『ライフプラン』」という書面のことを指すこともあります。

先のブログでも記した「ライフプラン」の意味は後者の方で、認知症を発症し、もはや詳細な希望を関係者に意思を表示することが難しくなったときに力を発揮する書面と言えます。

任意後見契約書の性格

それでは、任意後見契約書等の契約書はどのような性格を持つのでしょうか。もちろんご本人に代わって法律行為をする委任契約に関する契約書ですが、記載事項は、実は、法令政令省令により、定められています。

事実行為や一審専属権は契約条項に記載できない

特に事実行為や一身専属権についての代理は法令上、任意後見契約の条項には搭載できないため、物理的に一つの書面で作成されたとしても、観念的には切り分ける必要があります。そこで例え切り分けて記したとしても、契約書に詳細なご本人の希望、例えば、毎日コーヒーが飲みたいから提供してほしい等の本人の嗜好に基づく希望等を、契約書に盛り込むことは、実益性がほとんどありません。

契約書は、当事者間のみが確認する書面ではない

物理的に一通の書面に記せたとして、その提示をしようものなら、提示する相手方当事者に対して、必要のない契約内容の全てを逐一目に触れる機会を作ってしまいます。
 故に、「ライフプラン」は、契約書とは別に作成することとなります。

さて、その「ライフプラン」ですが、いざ記そうと思っても、なかなか記せないことが多いようです。なぜなら、普段何気なく過ごしていることを客観的に見つめる習慣がなかなかないですし、普段からできていることに基づいて食事をし、ご自身の嗜好に基づいて過ごしている生活習慣を振り返ってみることは、意識しないと、なかなか気がつかないのかもしれません。

ライフプランを作成する意味

もしものとき、認知症を発症したときに功を奏するための準備をするためですが、それ以外に、ご自身の嗜好に改めて気がつく良い機会になるのかもしれません。

趣味なんて何にもない、興味を持っていることなんて何もないとおっしゃる方が多いものですが、一つ一つを丁寧に一日の行動やご自身にとっての出来事を振り返ってみると、ご自身でも気がつかなかった素晴らしいことがあることを発見すると思います。

司法書士 大山 真 事務所の任意後見アシストサービスでは、ご本人様の「ライフプラン」に合わせたサービスを提供できるように対応しています。

認知症になっても「ライフプラン」によって、これまでどおりの生活がより実現する可能性が広がります。

後見に関する概要は、当事務所Webページでも紹介しております。

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司法書士 大山 真
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